【大紀元日本10月25日】食品大手の明治は最近、中国での乳児用粉ミルク販売から一時撤退する意向を明らかにした。穀物相場の影響を受け飼料が値上がりしたことや、中国市場の競争激化により、利益を出すことが困難になったためだという。明治は近く公式発表する予定だ。
中国では2008年、有毒物質を含んだ国産メーカーの「毒粉ミルク」事件が発覚して以後、ドイツやオーストラリア産など輸入品が人気を集めていた。そのため国外メーカーの競争も激化した。ブルームバーグの電話取材に答えた明治広報担当は「(中国での)売上高は2009年のピーク時の3分の1に減少した」と答えている。
6人の乳児が死亡し、30万人が中毒症状を訴えた2008年の毒粉ミルク事件以後、中国のベビーフード市場は、ミード・ジョンソンやダノンなどの欧米の外資系がシェアを大きく伸ばしていた。欧州の調査会社「ユーロモニター」によると、明治は昨年の粉ミルクの売上トップ10に上がらなかった。
中国での日本製品の販売売上は不安定要素を多分に含む日中関係に大きく左右される。東日本大震災以後、中国国内では福島第一原発事故の連日報道が、日本製品から消費者の足を遠のかせた。2010年に宮崎県で口蹄疫が発生した際は、当局は日本の粉ミルクの輸入を拒んだ。
中国当局は今年8月、独占禁止法に違反したとして、ミード・ジョンソンとダノンを含む6つの乳製品メーカーに計6億7千万元の罰金を科している。明治自身の発表では、「調査に協力」したため対象になっていない。この度の撤退も、この調査には関係ないという。
明治は中国での売上高を明らかにしていないが、広報担当は「中国での売上高は全体のわずかな割合に過ぎない」と回答している。また中国ではアイスクリームやスナック菓子などの製品は販売を続けるという。
明治と雪印メグミルク、森永乳業の日本の大手乳業3メーカーは8月、飼料の値上がりによる酪農家の経営悪化のため、牛乳など乳飲料の日本国内市場の出荷価格をこれまでの1~4%値上げすることを発表している。
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