【呉校長先生の随筆】 -アヒルと少年-

【大紀元日本6月14日】「子どもが学校をよく遅刻するようになったら、それは不良になる前兆である」と専門家は言う。我が校にも、まさにこれにあてはまる生徒が一人いることが最近、気になっていた。

学校の成績は中くらいで、普段は物静かな春(しゅん)くんは、先生たちの間では評判の良い生徒である。しかし、彼はここ2週間、毎日のように遅刻し、9時ごろにやっと学校に現れる。先生たちが心配して遅刻の原因を聞くが、はっきりとした返事はなく、自宅に電話をしても親は出て来ない。結局、担任の王先生と私が家庭訪問をすることにした。

まだ朝の8時半なのに、6月の台湾南部はすでに蒸し暑い。春くんの家はアヒルを飼育する農家だ。車を降りたとたん、アヒルの群れが勢いよく突進してきたので、私たちは慌てて囲いのあるテントへ逃げ込んだ。少し落ち着いてからよく見ると、二人とも靴とズボンが泥でひどく汚れていた。ふと見ると、エサがいっぱい入った桶を手に持つ制服姿の春くんが、呆然と立っていた。

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