【大紀元日本4月29日】日本では本州、四国の山野に自生するメギ科の多年草。アジアから南ヨーロッパにかけて分布し、4月ごろ、和船の錨そっくりの紅紫色の花が咲きます。中国原産のホザキイカリソウは淫羊霍(いんようかく)という生薬で、日本産イカリソウは和淫羊霍と言い区別されますが効果は同じです。茎葉を6月頃刈り取り天日乾燥して使用します。民間薬としても昔から利用されていました。日本海側に多い近縁種のトキワイカリソウは常緑で白い花、また園芸用には可愛い色の花も栽培されています。
【学名】Epimedium grandiflorum
【別名】碇草、三枝九葉草、カンザシグサ
【成分】エピメジン、イカリイン、マグノフリン、ビタミンEなど
【薬用効果】淫羊霍は肝、腎経に働き、全草を強壮、強精の目的で使用します。一日量は乾燥物8~10gを煎服します。長期に服用する場合は粉末を一日量3~5g服用します。神経衰弱、健忘症にも有効とされますが、心臓や胃腸の弱い人は使用に注意が必要です。ホザキノイカリソウの根は淫羊霍根といい、こしけ、月経不順、ぜんそくにも煎用されます。薬用酒には、地上部をホワイトリカーに2、3カ月浸けます。仙霊脾酒(せんれいひしゅ)とよばれ、滋養強壮の効き目があるとされます。
【食用】葉が開ききらない若苗を摘み、茹でてアク抜きしてからあえもの、油いためにします。花は茹でてから三杯酢で、また生の花はてんぷらにして食べます。
【余談】淫羊霍の名前は羊がこれを食べて勢力絶倫になったという伝説によるようです。また、春先に根茎から芽を出し、葉は3枚3枝に分かれ9枚の葉からできていることから三枝九葉草ともいわれます。
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