「トラは解き放てばオリに戻らない」 中国で革命起きるのは時間の問題か

【大紀元日本4月28日】「中国で革命が起きるのは時間の問題だ」。豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドがこのほど、このようなタイトルの評論記事を掲載し、中国政権はいつ民衆の抗争により転覆させられるかは不明だが、「大きな事件が待ち構えている」ことは確かだと警告した。

記事は、今年の2月から中国当局は、著名な芸術家の艾未未氏をはじめ、多くの反体制派・人権弁護士・民主活動家を拘束・逮捕していることを取り上げ、「大きな事件」ともなりうる中国の「ジャスミン革命」を阻止するために当局は死力を尽くしていると指摘した。

しかし、中国政府が危惧しているのは「ジャスミン革命」に止まらない。中国全土で毎日どこかで数十件の、労働条件や土地収用などをめぐる小規模な抗争が起きている。一方で、先月のインフレ率は前年比5.4%という32カ月ぶりの高水準も政府を怖がらせ、温家宝首相もインフレを「虎」に例え、いったん解き放てばオリの中に戻すのが極めて難しいとの強い表現で警戒を示していた。

中国社会がはらむ数々の不安要素。これらの要素が縦横につながり「大きな事件」に発展することを、当局はもっとも恐れているのであろう。

そして、こういった当局の恐れが杞憂ではないことを立証する事件が起きた。20日、インフレで生活苦を訴えた上海の輸送業者らが大規模ストライキを始め、天津市、寧波市にも波及し、また同じ時期に貴州省、湖南省でもストライキが行われた。これらのストライキについて、「中国ジャスミン革命」の発起人が23日、「中国独立労働組合連合会」と称する団体と共同声明を発表し、20点xun_ネ降に上海や天津で起こったふ頭コンテナトレーラー運転手による大型ストライキは、同連合会が計画したものであり、双方は今後協力して中国ジャスミン革命を後押ししていく意向を明らかにした。

一連のストライキに対し、当局は取り締まりを強化すると同時に、ふ頭利用に際して各種手数料を減免するなど、早くも23日に対策を発表し、抗議行動の早期鎮静化を図った。さらに措置はふ頭に止まらず、市内のタクシー運転手が毎月支払う手数料も引き下げが行われ、これらのストライキが全国規模の「大きな事件」へ発展することに対する政府の恐慌ぶりが露呈した形となった。

一方、シドニー・モーニング・ヘラルドの報道は、英オブザーバー紙の編集長を務めたウィル・ハットン氏の話を引用して、いまの中国はまさに「火薬庫」であり、民衆の抗議活動という導火線だけでなく、脆弱な金融システムからも十分引火しうるとの見解を伝えた。

ハットン氏は、中国の外貨準備高が3兆ドルを超え、過去12カ月で6000億ドル急増した事態について、「この異様さは深刻だ。爆発するに決まっている」と断言し、「中国の今の金融システムは、2008年に金融危機に陥ったアメリカやイギリスなどの西側諸国の当時の金融システムより数倍も脆い。財政収入の数倍となる負債を背負っており、しかもその負債の多くは利息も元金も返済されたことはない」と分析したうえで、このようなシステムを抱える中国は今後「大きな危機が訪れる」という見解を示した。

「中国政府は傲慢すぎる。しかし、傲慢の後には崩壊がやってくる」。ハットン氏は著書『災難の前兆 21世紀の中国と西側』でもこう記し、中国社会において「大きな事件が待ち構えている」と予測した。また、ハットン氏は中国政府の傲慢な姿勢について、「彼らは本気で信じている。21世紀は中国人の世紀であることを。どんな問題が起きても彼らは解決できるということを。彼らがアジアの覇者になることも」と批判した。

ハットン氏は西側諸国に対し、利益のために立場を変えるのではなく、自分たちの信念を貫くことは最終的により意義があると忠告した。豪メディアに対し、オーストラリアの4分の1の輸出品は中国が買っていることから、中国で「大きな事件」が起きたらオーストラリアも深刻な影響を受けるのは否めないが、それでも信念を貫くことは結局は、「中国の民衆に尊敬され、その尊敬は世界にも浸透する。将来共産政権を覆す新政権が誕生した時、中国の歴史書に、『オーストラリアは本当の正義の味方だ』と記載されるだろう」とハットン氏は述べた。

(翻訳編集・張凛音)
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