【大紀元日本9月17日】カタバミは日本各地の草原や道端、庭に自生し、世界中に広く分布するカタバミ科の多年草。初夏から秋にかけて黄色い花が咲き、葉は雨の日や夜になると睡眠運動をおこして内側に閉じます。葉が赤いのは変種のアカカタバミです。槍のような実をつけて、触れるとたねを弾き出し繁殖します。また、根が四方にはびこるため駆除が困難な雑草です。全草は酢漿草(さくしょうそう)という生薬です。似たものにムラサキカタバミがあります。
学名:Oxalis corniculata
別名:三葉酸草、かがみぐさ、スイモノグサ、雀の袴(すずめのはかま)など
成分:シュウ酸塩、クエン酸、酒石酸など
【薬用効果】酢漿草は消炎、解毒、下痢止めなどの作用があります。また肝炎に効果があったとの報告もあります。民間薬としては、絞り汁が皮膚病や虫刺されに有効とされます。しかし、シュウ酸を含むため、多用することは危険です。多食すると中枢神経系や心臓機能が低下します。
【その他】ヤマトシジミ幼虫の食草です。
日本では、五大紋(藤、桐、鷹の羽、木瓜、方喰)の一つとして、平安時代からすでに使用されていたようです。上述のように繁殖力が強く、絶やすことが困難なことから、「(家が)絶えない」に通じるとして武家に好まれ、家紋の図案に多く利用されました。
また、古代にはカタバミの葉で真ちゅうの仏具や鉄製の鏡を磨いたとも言われ、昔話には、その磨いた鏡に想う人の顔が現れるとありました。葉の形がハート形で女性に好まれ、良妻賢母を両立させる草として親しまれていますが、面白いことに西洋の花言葉も「賢い婦人」なのだそうです。
(文と写真/ハナビシソウ)
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