英国バイリンガル子育て奮闘記(47) 日本のお友だちが遊びに来た (1996年頃)(中)

【大紀元日本8月9日】友人の子供二人(7歳と5歳)は結局、学年末(イギリスでは7月)の最後の二日間の体験入学となったが、英語教師の友人が母親として見学する中、充実したひとときを過ごしたようだった。最初の日は一日見学して、一緒に工作などをしたようだ。

親の方は、校長先生とお茶飲んで来た、とニコニコして出てきた。

その日が終わって、校庭まで娘のお迎えに来た私の顔を見た友人は開口一番に、「私、あした日本について話をすることになった」と肩で風を切るように校舎からでてきた。あら、あらら。本当に日本の教育と違う。担任の先生の方も、遠い日本から英語を話せる人が来てくれたのだから、この機会を逃す理由はない。二人のプロに頭が下がった。

実際にその場に居合わせたわけではないので、どんな感じだったのかは分からなかったが、娘の世代の英国人は日本ブームの文化で育っている。アニメやコンピューターゲームを通して日本に憧れる若者が多い。数年前、独学で日本語を身につけたという地元の男の子に出会ったこともある。こんな時代背景の中、友人の話は多くの子供たちに、地球の裏側の神秘的な国を理解するうえで、なんらかの基盤を作ってくれたのではないだろうか。

友人の子供たちは、日本と比べて規律や規範がかなり希薄で、教団もなく、先生も生徒もお友達のような、日本とは全く違った「学校」生活を満喫していたようだった。

(続く)

著者プロフィール:

1983年より在英。1986年に英国コーンウォール州に移り住む。1989年に一子をもうけ、日本人社会がほとんど存在しない地域で日英バイリンガルとして育てることを試みる。