【漢方の世界】カルテ(五)―笑いの呪縛を解いた赤ん坊

【大紀元日本6月22日】漢方の不可思議な症例をご紹介するカルテシリーズも今回で5回目。今回のカルテの主人公は、わずか2歳半の時に奇病を患った60数歳になる男性。医者は病名も分からぬまま、3時間おきに注射をし続けたという。不幸なことに、この時、彼のそばには寄り添う両親もいなかった。孤独で苦しい治療が21日間続いた後、彼は突如、激しい笑いが止まらなくなってしまったという。ここから彼の深い苦悩が始まる。というのも、この激しい笑いは60数歳になるまで彼をさいなませ続ける呪縛となったからだ。そんなある日、彼に人生の転機が訪れることになる。

その日、診察を受けに行った彼は、待合室で赤子を連れた若い母親に出会った。診察室に入ろうとした母親は、見ず知らずの彼にわが子の世話を託した。母親から寄せられた信頼を喜んだ彼は、迷うことなく快諾した。この様子を見た医者は、彼にこんなアドバイスをする。「その赤子を、幼い頃の自分だと思いなさい」

彼は医者の言いつけどおり、その赤子を幼い頃の自分だと思いながら、ひたすら抱き続けた。この1時間の間、彼の身にある奇跡が訪れた。彼は全く笑うことがなかったのである。数十年も彼を苦しめ続けた、激しい笑いという奇病。一体何が原因でたちまち消え去ったのであろうか。胡先生がこの問題を読み解いた。

▶ 続きを読む
関連記事
傷が治りにくい、風邪が長引く、疲れが抜けにくい。免疫老化の背景にある炎症、睡眠、孤独との関係を見直します
喉の乾きや午後の疲れが気になる白露に。さんま、里芋、豆乳、梨で、秋の乾燥に備えるコンビニ薬膳ランチ
考え事で眠れない、夜中に目が覚める。中医学の視点から、不眠のタイプ別に食養生とツボ押しを紹介します
子育ては親だけで頑張るものではないのかもしれません。祖父母、とりわけ母方の祖母が近くにいることで、母子の暮らしや子どもの成長にどんな影響があるのでしょうか。研究から見えてきた、祖父母の意外な役割に注目です。
傷口から芳香を生む沈香や、火を経て形を捨て清気となるお香の姿を通し、苦難を乗り越える心の転化と生命の深遠なあり方を静かに説くエッセイ。俗世の喧騒を離れ、心を澄ませて高遠な境地へ向かう道を示す