地震寄付金の行方に疑問 チベット族作家、「国家転覆罪」で拘束
【大紀元日本4月30日】青海省大地震から2週間が経過し、寄付金集めのキャンペーンが進んでいる。同省西寧市に住む一部のチベット族作家や学者らはチベット語で、地震で亡くなった人たちへの哀悼文を連名で綴り、寄付金を集めて被災区へ送付する準備を行っていた。同書簡は、寄付金は着服される可能性があるため、団体や個人は出来る限り自ら被災地に届けることを提案している。しかし、哀悼文に署名した一人、作家のタギャル(Tagyal)氏が最近、「国家政権転覆扇動罪」の容疑で、中国当局に拘束されたと伝えられている。
青海省出身のチベット語研究者で詩人の東賽氏によると、タギャル氏は当局から家宅捜索を受け、パソコン2台を押収されたうえ拘束されたという。東賽氏は、寄付金の着服について鋭く批判した哀悼文が当局の逆鱗に触れ、タギャル氏の逮捕につながったと考えている。
被災地である青海省玉樹には、多くの救援物資や寄付金が寄せられており、その額は30億元(411億円)を超えると伝えられている。08年に起きた四川省大地震の寄付金が流用され、汚職に利用されたとの醜聞が伝えられており、今回の青海省大地震の寄付金の行方は、とりわけ注目されている。
関連記事
【大紀元日本4月16日】4月14日、死者2698人、行方不明者270人を出した中国青海地震から1年が経過した。チベット人にとって、一周忌は死者の霊を浄土へ導く重要な法事が行われる日であるが、被災地の
【大紀元日本5月26日】先月起きた青海大地震の救済金受給資格を求め、青海省玉樹県のチベット族住民約200人が先日、現地政府の前で抗議した。チベット族住民には正式な玉樹の戸籍がないため、4月14日の震
【大紀元日本4月25日】青海大地震から9日、薬不足や寒さにより健康を害する被災者の数が増えている。一方、中国当局は「救援のピークは過ぎた」と宣言し、政府職員らが被災区からの撤退を始めている。22日早
【大紀元日本4月24日】中国青海省玉樹県で起きた大地震から7日目の20日、被災区は大雪に見舞われた。この日、チベット僧による犠牲者への祈祷と救済活動が引き続き行われていたが、政府に被災地から退去する