天安門広場付近ナイフ殺人事件 2人死亡12人負傷

【大紀元日本9月18日】中国北京市の中心部にある天安門広場付近で17日夜、ナイフを持った男が2人を刺して殺害、12人に負傷を負わせる事件が発生した。共産党第17期中央委員会第4回総会開催中であり、また、10月1日の政権60周年記念を前に北京市中心部の警備態勢が厳重に敷かれる中、共産党政権象徴の天安門広場のすぐそばで事件が起きたことに、当局はいっそう神経を尖らせている。

中国国営新華社通信の英文配信によると、17日午後6時40分、北京市中心部の天安門広場南側の前門の近くにある商店街で、ナイフを持った男が2人を刺して殺害し、12人に負傷を負わせる事件が発生した。犯人はすでに逮捕された。名前は張健飛(46)で、吉林省の住民だという。死亡した2人は商店街の警備に当たっていた。

目撃者によると、事件後、千人以上の武装警察が前門に入り、天安門広場は厳しい警備体制が敷かれている。中共中央政法委員会書記・周永康氏、北京市書記・劉淇氏、北京市公安局長などが現場に到着した。北京市にいる記者はすでに現場取材禁止の通達を受けているという。

また、海外中国語サイトBoxunネットの報道によると、17日午前10時、天安門記念堂西側で、ある女性が臨時用トイレから出たところを、警察に止められチェックを受けた。女性は、バッグから爆薬と疑われるものが発見されたとして、警察に連行され、その後、大量の武装警察と特訓警察を満載する軍用車が天安門に到着、現場を閉鎖したという。

共産党政権60周年の10月1日を控え、中共中央は最近、一連の新しい治安措置を講じ、新疆の安定と60周年式典の成功を政権維持の最優先課題としている。北京市公安局は、9月15日から無戦争状態下の最高級警備体制を取ると発表、北京市に出入りする人と車両、部品に対して厳しいチェックを行い、ハトと凧も含めて全行政区はすべての飛行物が禁止されている。市内は全市民を動員し、80万市民警備員を北京市の隅々まで分布させている。また、北京を囲む河北、天津、山西、内モンゴルなどの6省についても、首都を保護する「護城河」プロジェクトを起動し、各不安要素を現地で抑え、首都の安全のためのクッションの役割を果たす準備ができている。「陸、海、空」を網羅して60周年式典に当たる北京の安全を万全に保護する当局の態勢は、却って政権の危機感を感じさせるものとなっている。

(報道・肖 シンリ)

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