「天安門事件」名誉回復を求める軍部からの手紙、政府系サイトで一時掲載=中国

【大紀元日本9月15日】中国大陸の人権問題を扱うサイト「参与」によると、解放軍所属病院の軍人らが執筆したとされる、天安門事件の名誉回復を求める書簡が7通、中共宣伝部のウェブサイト「中青ネット」に13日、掲載された。

情報によると、7通の手紙は「人民解放軍第65集団軍・196旅の病院」に所属する軍人全員の名義で、いずれも中央高層部あてに書かれている。内容は、天安門事件を「学生愛国運動」と呼び、中国共産党に対して「人類史上、類をみない残酷な手段で」人民を弾圧したと非難している。手紙の最後は、民主制度の実施と共産党独裁の終結を求める言葉で締めくくられている。この手紙は、掲示されてから数分後に削除された。

手紙の中で、196旅の政治委員長「劉京朝」という人物が、「軍隊は政党に属するべきではなく、国家に属するべきだ」と述べたとされる。天安門事件に詳しい専門家によると、手紙の真偽はまだ不明だが、この劉・政治委員長は、実在する人物だという。

手紙は、中央政治局、国務院、全国人民代表委員会などの中央政府各機関へ書かれたもののほかに、解放軍総政治部、解放軍新聞紙あてもある。中央政府へ手紙を出す時に、軍トップや新聞社へ同時に手紙を出すのは、軍人の一般的なやり方。また、196旅は、解放軍でも突出した対外軍隊であることから、「大使へ」という手紙は国連大使あてのもののようだ。これらの点から、専門家はこの手紙の信憑性は高いとみている。

手紙には「中国人民解放軍66481部隊病院」という公式な印鑑が押され、日付は2006年5月となっている。10月1日の60周年軍事演習パレードを前に、天安門事件の名誉回復を要求する軍部からの手紙をネットで公開するとは、なんとも大胆な行為だ。しかし、天安門事件の専門家らは、多くの軍人の意見を反映した手紙だと分析している。

(報道・肖 シンリ)

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