イソップ童話の「カラスと水がめ」を読んだことがあるだろうか。1羽のカラスが、水がめの底に石を落として水かさを増し、ついには水を飲んだという話だ。2千年前に書かれたこの賢いカラスの話、実は事実に基づいて書かれた可能性があると最近の英研究により明らかになった。BBCニュースが6日報じた。
ケンブリッジ大学とロンドン大学クイーンメアリー校の共同研究チームは、イソップの話を再現するため、ミヤマガラス(英国で最もよくみられるカラス。群居性がある)の前に少量の水が入った細長い容器を用意し、そこに虫(エサ)を浮かべて、横に小石の山を置くという実験を行った。すると、ミヤマガラスはすぐに、横にある小石を水に投げ入れ、水かさを増したという。科学者らを驚かせたのは、カラスが石を入れる前に水の水位を色々な角度から観察していたことや、くちばしが水に届くまでの的確な数量の小石を使用していたことだ。研究の対象となった4羽のカラスのうち、2羽は一度目で成功し、他の2羽も2度目で無事エサにありついている。
また、同チームは、大小さまざまな小石を混ぜてカラスの前に積むという実験も行った。すると、カラスは総じて大きい方の小石を選び、水に落としたという。大きい石の方が、早く水位を上げることが分かっているのかもしれない。
同研究チーム・メンバーのひとりネイザン・エメリー博士(Dr Nathan Emery)は、「カラスはいろいろな事ができるし、非常に要領がいい」と述べ、イソップの物語はおそらく事実に基づいて書かれているとコメントした。
同研究チームが撮影したカラスの映像は、英オンライン・ジャーナル「カレント・バイオロジー」に掲載されている。
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(翻訳編集・坂本)
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