農地大規模強制徴収に抗議、農民22日間座り込み=中国浙江省

【大紀元日本11月15日】中国浙江省温州市洞頭県状元奥村で、農地の大規模強制徴収に反対する村民が22日間にわたる座り込み抗議を続けた。11月10日には、数百人の警官が現場で村民と激しく衝突、村民には負傷者が出た。現地の情報によると、村には当局の工作チームが進駐、公安が村を封鎖し、村民の出入りは禁止されている。

現地政府は2004年、同村に国際港を建設するため、農地3043ヘクタールを強制徴収したが、補償金を支給しなかった。生計の源を絶たされた村民らは、上級政府に陳情し続けたが取り合ってもらえなかった。2006年にも警察と村民が衝突し、村民2人が逮捕され懲役刑を言い渡された。

警察から暴行され負傷した村民(大紀元)

座り込み抗議の農民、夜も港で野宿(大紀元)

今回の座り込み抗議は10月中旬から始まった。村民の証言によると、11月10日午前9時ごろ、数十人の女性村民は町役場に集まり陳情を試みた。駆けつけた警官は彼女たちと衝突し、ある女性は殴る蹴るの暴力を受け、病院に搬送され、現在入院中。同10時ごろ、警察官300人以上が座り込み抗議の現場に配置され、村民数百人と再び衝突した。その現場を写真撮影しようとした若い男性が強制連行された。その後、警察は村民を強制退散させ、テントなどを撤去した。翌日夜明けに、村民・張さんは警察に自宅から強制連行され、いまだに行方がわかっていない。

周辺の村の村民も今回の座り込み抗議に参加、最も多いときに800人あまりに達したという。

村民代表は取材に対し、「陳情しても問題を解決できないのはわかっている。私たちのような無力の農民は、自分たちの合法権益を守るために座り込みで抗議するしかない」と語り、海外メディアがこの事件に関心を示すよう呼びかけた。

(記者・顧暁華、翻訳編集/叶子)
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