【ことばの豆知識】若い男女が「心中(しんちゅう)」の証しに「しんじゅう」

【大紀元日本9月8日】「心中」には、「しんちゅう」と「しんじゅう」の二つの読み方があります。「しんちゅう」と読めば「心の中、胸のうち」で、「しんじゅう」は「無理心中」の「心中」。全く関係ないように見えるこの両者は、果たしてどこかでつながっているのでしょうか、それとも、たまたま同じ漢字を当てただけなのでしょうか。

「しんじゅう」は、現在でこそ「無理心中」「一家心中」のように、他の人を道連れに自殺を図ることを指しますが、元は、特に男女の間で、相手に対する信義や愛情の気持ちのことを言いました。つまり、「しんじゅう」とは、男女間で「胸のうち」を相手に示すということですから、この時点で「しんちゅう」と「しんじゅう」はつながっているのです。事実、古くには、「しんちゅう」を「しんじゅう」とも言い、「しんじゅう」を「しんちゅう」とも言ったようです。

ところで、古くからその「心中」の気持ちを髪の毛や指を切ったり刺青をしたりなどして表わすことが行われたようで、そのことも「心中」または「心中立て」と言いました。次例の「心中」がそうです。

それならばおれにほれたといふ心中をみしや。こころへたとゆびを切らんといへば(傾城仏の原)

そして、「心中立て」の最たるものが、互いが死を以って契りを守り通すことで、それを「心中する」と言うようになりました。それが現代では、男女間に限らず幅広く用いられるようになったということです。

ところで、中国語の『心中』には「しんちゅう」の意味しかなく、「しんじゅう」は『情死』とか『一同自殺』のように表現されます。

(智)

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。