【エンタ・ノベル】麻雀の達人(5)-赤兎馬亭-

【大紀元日本6月28日】満福が気付くと、もう日が暮れているのだろうか、暗い坂道をトボトボと歩いていた。「はて、ここは横浜の山の手か?それにしても殺風景なもんだな。麻雀を打っていて…深酒でもしたのだろうか?」。坂の両側は暗くてよく見えず、ただ足元に見える道だけを歩いていた。

坂の上のほうから人が歩いてくる。何か、足元が頼りなげだが、白い服を着ているようだ。すれ違いざまに見ると、その人は顔面蒼白で白装束を身につけ、意気消沈した様子でフラフラと歩いてくる。満福が「今晩は!」と声を掛けても、われ関せずといった風だ。

坂のはるか上に何やら赤い灯火が見える。「しめた!何かの民家だ。何か食わせてもらうか」。しかしいくら歩いてもいっこうにその距離が縮まらない。「はて、何か道に迷っているのか?引き返そうか」と踵を返した瞬間に背後から声を掛けられた。「いらっしぁい!」。

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