四川省成都:警察官が被災者用テントをレジャー使用、抗議する市民を拘留
【大紀元日本5月29日】中国四川省成都市で5月21日夜、女性警察官が被災者専用テントをレジャーに使用し、テントの中で飲酒やマージャンをしたことから、市民の怒りを買い、警察と衝突する事件が発生した。成都市公安局青羊支局は、市民7人を「公務妨害」として30日の刑事拘留に処し、1人は15日間の治安拘留、3人が治安警告、1人が住居監視に処された。
四川大地震発生後、国内外から続々と救援物資が届く中、被災地が緊急に必要とされるテントが成都市の一部住宅区にレジャー用として流出した。その中で、地元の警察も利用していることは社会を驚愕させた。
20日、成都市の興苑小区に女性警察のグループおよび家族らが「地震被災用」の文字がはっきりと印字されているテントの中で、飲酒やマージャンをしたことで、住民たちは怒りを覚え、その様子をビデオに収め、インターネットに流して国際社会に知らせ、当局関係部門に対して、テントの出処を調査するよう促した。
住民たちによると、テントの屋根部分に印字されている「地震被災用」の文字は分からないように青いペンキに塗られている。住民たちは、成都市は被深刻な災地区に属さず、テントは必要とされる場所へ送るべきだとテント使用者に説得したが、拒否されたという。
「南方都市報」によると、21日午後、45歳前後の男性と数人の女子がテントの中でマージャンをし、市民がテントの出ところを聞くと、男性は「コネで入手した」と答えたという。また、数人の学生が同じことを聞いたら、今度は女性が「市長が聞いてきたら答える」と無視した。同日夜、怒りを覚えた市民たち500人余りがテントの周辺に集まり、テントを片付けに現われた警察官らに対して、テントの出処と被災者用の救援物資を非合法に使用した者たちを調査するよう求め、さらに、メディアにも報道するように知らせた。
一方、市民たちは証拠を残すために、警察側からきちんと回答をもらうまでは、テントを片付けさせないとして、警察側と衝突した。
四川新聞ネットによると、24日、成都市公安局青羊公安支局は、今回の事件について、女性警察とその家族が被災者用テントの中で飲酒、マージャンをしたことは事実ではないとし、警察官らを罵ったり暴力を振るったりしたとして16人の容疑者らを拘束した。11人が刑事拘留、1人が行政拘留、3人が治安警告、1人が住居監視の刑に処されたと通達を出したという。
成都市一部地区に被災者専用テントがレジャー用に使用されたことに対して、四川省副省長・李成云氏は23日、国務院新聞局で開かれた記者会見で、「この件について、徹底的に調査し処分する」とし、「深刻な被災を受けているこの時期にして、非常に卑劣な行為だ」と非難した。
地元の住民たちは、災難に直面しているにもかかわらず、金と権力を持つ人たちは相変わらず横柄な振る舞いをしていると非難した。また、警察はテントを乱用した者を調査せず、民衆を拘束したこと自体が荒唐無稽だと嘆いた。
被災地への救援物資は戦略物資に等しく、非常時期に救援物資を売買する行為は違法であり、市民がその違法行為を監督し指摘することは守られるべき権利だ。温家宝首相は2度にわたり四川を訪ねたが、被災者のことの他に、地元政府関係者の違法行為も懸念しているという。