中国伝統文化の精髄-「二十四孝」(4)

【大紀元日本9月28日】「」は儒家の倫理思想の核心であり、長い間中国社会で家庭関係を維持するための道徳基準であった。それは、中華民族の伝統的な美徳であり、中国伝統文化の精髄でもある。

元の郭居敬は、中国古代の孝行が特に優れた24人の故事を集め、「二十四孝」を編集した。後に絵が配され、「二十四孝図」として孝行の道を広めるための通俗読み物となった。

江革・「二十四孝図」より)

10 江革

江革は、東漢時期の斉国・臨淄の人で、幼くして父を亡くし、母親に仕えて孝順を尽くした。戦乱の中、江革は母親を背負って難を逃れたが、幾度となく匪賊や盗賊に遭って殺されそうになった。江革はそのたびに、「老母はもうこのように年をとっている。私がいなくなったら、一体誰が面倒を見るのか」と泣いて訴え、賊はその孝行を見て殺すに忍びなかったという。

後年、彼は江蘇下邳に転居し、日雇い工として働いたとき、自らは貧乏しても、母の必要なものは十分に揃えた。彼は明帝の時に親孝行で廉直な人物として推挙され、章帝の時には才徳兼備で公正な人物として推挙されて、「五官中郎将」に任じられた。

陸績・「二十四孝図」より)

11 陸績

陸績は、三国時期の呉国・呉県華亭(現在の上海市松江)の人で、科学者であった。六歳の時、父親の陸康に随って九江に行き、袁術に謁見した。袁術が蜜柑を出してもてなしてくれたところ、陸績はその蜜柑を二つこっそり懐に入れた。

ところが、帰ろうとした時、蜜柑が懐からこぼれ落ちた。袁術はそれを見て嘲笑して、「陸君はお客さんとして来たのに、何でこっそり蜜柑を持って帰ろうとしたのかな?」と問うた。すると陸績は、「お母さんは蜜柑が好きなので、持って帰って食べさせてあげようと思ったのです」と答えた。袁術は、陸績がこんなに幼いのに親孝行であるのに驚いた。

陸績はその後、博学で知識多彩となり、天文、暦算に通じ、「渾天図」を創作し、「易経」に注釈をつけ、「太玄経注」を著した。

郭巨・「二十四孝図」より)

12 郭巨

郭巨は、晋代の隆慮(現在の河南省林県)の人で、裕福な家の生まれであった。父の死後、彼は家の財産を二人の弟に与え、自分は母を引き取り、親孝行を尽くした。

ところが後に、家の暮らし向きが次第に苦しくなった。そんなとき、妻に男の子が生まれたが、郭巨は、子供を養えば、母に食べるものも十分与えられず、孝行ができなくなるのでないかと心配した。

そこで彼は妻に、「子供はまた授かればいい。でも母親は死んだらそれきりだ。子供を埋めてしまって、母に孝行したらどうだろうか」と相談した。

そこで、夫婦が子供を埋めるために穴を掘ったところ、土の中から黄金の入った壷が出てきた。壷には、「天が郭巨に賜る。誰も取ってはならない」と書いてあった。夫婦は、その黄金を手にすると、家に帰って母親に孝行を尽くし、子供も養うことができたのである。

(翻訳・太源)

関連記事
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。
食品添加物「カラギーナン」が健康に与える影響についての新しい研究結果を紹介。インスリン感受性や炎症の悪化と関連があり、摂取を控える方法も提案します。