小学6年生の作文:道徳の退廃を論ずる(2)

【大紀元日本7月3日】(編者注:本文は、法輪功の修煉を始めた小学6年生の児童が、弊社連載の『解体党文化』を読んで書いたものの翻訳である。)

(「道徳退廃を論ずる(1)」http://jp.epochtimes.com/jp/2007/07/html/d27694.htmlからの続き)

子貢はかつて、孔子に国を治める方法を問うた。孔子いわく、「まず第一に、人民に衣食を足らしめることだ。第二には、強い軍隊が必要で、第三に、国民の信頼を得ることだ」。子貢が「では、どうしても一つ削らなければならないとしたら、何でしょうか?」と問うと、孔子は「まずは軍隊だ」と答えた。子貢がさらに、「次に削るとしたら?」と問うと、孔子は「衣食を足らしめるということだ。お腹いっぱいに飯が食えなくても、信用は保たねばならない」と答えた。これが、国を治める最低条件である。もし民衆の信用がなくなれば、国は早晩滅ぶことになる。

今日の私たちの社会では、口を開けば誰もが嘘をつき、それが当たり前になっている。その上、嘘をつきながら、どうやってその嘘の辻褄を合わせようかとまで考えている。まがい物の程度も驚くほどで、毒米、毒麺、毒ミルク、偽タバコ、偽酒、偽油など枚挙にいとまがない。私たちの日常生活は、すでに嘘の世界にどっぷり浸かっている。

さらに、「不倫」「愛人囲い」「一夜限りの情交」などなど目に余る行為が、すでに社会全体に蔓延しており、人民を席捲し、酷いことに当局の保護まで受けている。「売春の取り締まりは投資環境を破壊する」「売春は環境を破壊しない産業」などという言葉が、官僚の口から出てくる。中国では古から「万悪の主は、姦淫」と言われる。結婚するには天地に誓いを立て、神に証人になっていただかなければならず、それでこそはじめて合法的な婚姻と認められた。金傭の小説『神雕侠侶』の中で、郭黄夫婦はなぜ楊龍二人の結婚を許さなかったのか?それは、楊がかつて龍の弟子であり、師匠と弟子の結婚は乱倫だからである。乱倫は、国家を破滅させ、ひいては民族を滅亡させる、道徳無存の前兆だ。中国古代の商の紂王の亡国や、ローマ帝国ネロ皇帝時代のローマ大火や弾圧などは、みな個人ないし国を挙げての乱倫から始まったものであり、歴史は私たちに大きな教訓を残している。

現在わずかに残っている民族文化が消滅してしまえば、道徳の退廃を招くことになる。2005年、「狼文化(我利我利亡者の文化)」が全国を風靡し、人々は「狼図騰(狼トーテム)」(編者注:ベストセラー小説のタイトル)を崇拝し、何事も血を好む狼の行動をまね、私たち民族の古くからのトーテムである龍を片隅に追いやったばかりか、それを攻撃までした。古代の文化人は、みな節操をもち、気骨に富んでいた。司馬遷は宮刑を受けながらも『史記』を著し、陶渊明はわずか五斗の米のためにへりくだりなどしなかった。

ところが今日、「美女作家」(編者注:恋愛や性体験を赤裸々に綴る若い女性作家)「ヤクザ文学」「ポルノ小説」などが一世を風靡し、奇異で奇抜であればあるほど読者の注目を集めている。文学がこのとおりであるから、映画や戯曲などはそれに勝るとも劣らない。これらの血腥く色情的なものが、すでに徹底的に中華民族の優れた伝統を破壊してしまった。現在の中国人で、古い文学作品の味わいの分かる人は非常に少なくなったし、小中学生は祖先が伝えた本来の漢字である繁体字が読めず、祖先の徳業を継承できなくなってしまった。

所かまわず痰を吐き、妊婦や幼い子供を連れた母親専用の乗り口にお構いなしに並び、公共の場所で大声を出したりといった礼儀しらずの行いが、すでに見慣れた光景となってしまった。私が言っていることは極端だという人もいるだろうが、これは自分でよく観察し考えた結果の本心である。私を大胆で、政治に首を突っ込んでいるという人がいるかもしれないが、ただ現在の間違った風潮を指摘して正そうと思っているだけである。屈原はかつて「長いため息をついて涙をぬぐい、庶民の多難を哀しむ」(離騒)と詠み、杜甫は「金持ちの屋敷からは酒肉の匂いがただようが、道端には凍死者の骨がころがっている」と悲しんだが、このように指摘することが政治に首を突っ込んだことになるのだろうか?仮にそうだとして、このような政治が、民族を覚醒させ、国家を復興させ、民衆を安楽にし、道徳を高めることができるなら、願ってもないことではないか?

多くの人たちがこの文章を読み、真実の世界を見つめ、個人、家族、国家の命運について考えてくれれば何よりである。中華民族の血脈をこれ以上衰退させるわけにはいかない!

(了)

(明慧ネットより)
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