【書評の「本」懐】 日本霊地巡礼『観光』

【大紀元日本5月16日】この本は1984年の節分(2月3日)の奈良・天河大弁才天社を振り出しに~戸隠神社~そして何故か、テレビゲーム感覚の聖地「六本木」~ゴールデンウィークのまった只中には大山阿夫利神社の境内~日本のおへそに当たる豊川稲荷から伊勢神宮~そして富士浅間神社をお参りして一区切り~5年後の1989年に諏訪大社で二人が再会して、ようやく締めくくられた対談集です。ご両人が発見した日本列島を一本につなぐ経絡線(霊ライン)を、江戸時代の庶民感覚で霊地をつぶさに巡礼しました。

霊地をつなぐ間(はざま)をテクノポップな環境音楽のささやきで満たし、霞(かすみ)と呼ばれる修験道のネットワークの消息を野生の思考で語り合うことが試みられました。地球と対話する知恵のバイブレーションを感得するには、霊地巡礼に勝るものはないという蟹座生まれの細野さんの直感と、チベット密教を修行したことのある宗教学者・中沢さんの洞察が意気投合して決行されたのでした。

細野さんは前年にYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)散開コンサートをやり終え、新たな旅立ちのビジョン・クエスト(探究)を始めていました。細野さんはこの頃さかんに、地図を買い求めて何かを確かめています。一枚の日本地図と地球を結ぶ糸を、何とか探り当てようとしていたのです。日本地図に蟹座の直感が思い当たる不確かな線を引くことから、地球を走る竜脈が見えてくることに気づきました。手当たり次第に線を引く根拠のない確信から、やがて手応えのあるものが胚珠のように生まれてきます。人類を浄化する観光音楽やワールドミュージックの楽譜が、一本の霊ラインから誕生してくる予感のようなものに浸されていきます。

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