富人と農民工、メディア規制

【大紀元日本4月7日】四月になってNHKのテレビ番組に現在の中国人の生活と中国メディアを紹介する2回にわたる特別番組があった。NHKもあまり中国北京電視台並みの報道にこだわると視聴者の反発を招くと判断したのであろう。何でも一日に一億円も儲けるという精力的な実業家の姿と職を求める無名の農民工の話が対象的であった。勿論、その実業家も始めは徒手空拳から始めたのであろうし、贅を尽くした豪邸の壁に_deng_小平の肖像画が掛けられているのも印象的ではあったが、なんでも毎年百人を超える新しい億万長者が登場するそうだ。凄まじい発展振りである。一方、数億とも云われる農民工については職を求める農民の数が多いためか、なかなか仕事が見つからぬ悲惨な状況には身をつまされる思いがした。中国人には元々商才に長けた人も多いし、単純に巨富を得たから、けしからんと言う御粗末な発想は避けたいが、革命以来どれほどの産業資本家、富農が悲惨な運命を辿ったかを想起すると今更の様に複雑な気持ちになる。一方、メディアの方は,当局の厳しい規制に喘ぎながらも真実を伝えようとする記者達の姿を追ったものである。中央宣伝部の厳しい検閲や妨害を受けながら記者としての見識を発揮するのが如何にむつかしいかを淡々と報道する番組であった。

あの南巡講話に象徴される故_deng_小平氏の「豊かになれるものから豊かになれば良い」という言葉を錦の御旗にしてから僅か四半世紀程で世界の工場とまで喧伝される成長を遂げた光の裏側で、矛盾がここまで深刻化しているのなら大変な事態である。社会主義どころか資本主義の弊害が一挙に表面化してしまったというのが実態であろう。正しく曹松の詩句にある「一将功なりて万骨枯る」ではないか。これこそ社会制度の歪のあらわれであろう。貧富の差がここまで極端な形で発生するとすれば、これは文字通り社会問題以外の何物でもない。貧富の差もある程度は止むを得まいが、格差が何十倍、何百倍ともなると別の問題になるのは自明であろう。

現代は情報社会である。中国とて例外ではない。マスコミは中国共産党の宣伝、宣撫の手段なのかも知れないが、書籍や刊行物への禁書や発禁がそれ程までに多いのであれば始皇帝の焚書坑儒と何等変わりはあるまい。インターネットへの制限の厳しさにも定評があるが、

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