中国人権弁護士・高氏、当局に強制連行、有識者らが緊急救援呼びかけ
【大紀元日本8月19日】各種人権活動に参加し、社会的弱者のために弁護した中国人権弁護士・高智晟氏は8月15日、山東省で、突入した十数人の私服警察に強制的に連行された。これに対して、中国国内の人権擁護者たちは非常に強い関心を寄せている。同件について、高氏の親友・郭飛雄氏を電話取材した。
記者:高弁護士が秘密裏に連行された件についてどう考えているのか?
郭氏:確実な情報はまだ把握できていないが、今のところ、連行された高氏に対して、当局の処置には幾つかの可能性が考えられる。一つは、陳光誠弁護士に対する違法裁判の件。当局は非暴力的抗議を行う可能性の高い高氏を警戒してまず軟禁するとの見方。二つ目の可能性とは、数ヶ月間の監禁後、執行を猶予すること。三つ目は、8年や10年の重刑に処すること。どれになるかは、まだ分からないが、3つの可能性のうち、三つ目の処置がもっとも可能性が高いと考えられる。中共専制体系の慣例からすると、中共は反体制派に対して、秋に入ってから清算することが多いからだ。
記者:高弁護士は今、世界で非常に注目されている人物であり、中共の今回の行動は、国内・国際の世論および圧力を考慮しなかったのか?
郭氏: 中共当局も考慮したはずだ。高氏が本当に逮捕され刑に処されることになった場合、中共執政集団の内部での専制者が新たに寄り集まり、抗議者に対して毒手を加えることを意味するのだ。抗議者らは高氏を逮捕したことを猛烈に抗議し、同氏の救出に専念し、同氏が示した価値、法制および人権理念を広く伝えて行くことに注力するはずだ。中共専制者は高氏に対して、非合法な手段で弾圧、処罰することにしたならば、中共は、相当な代価を支払うことになり、この代価は彼らが負担できないかも知れないほど大きいのだ。
自分が知っている限りでは、一般の公務員、法曹界の人々、国家幹部、大学教授、多くの直訴者およびキリスト信者たちの中に、高氏を強く応援する者が多く、同氏の身に何かがあった場合、必ず立ち上がって声援すると表明しているのだ。
また、法輪功団体を含み、海外の中国民主運動活動家、世界各地にいる良識のある声援者および友人も、きっとあらゆる形で高氏を救出してくれると信じている。国内外から、高氏に対する救出活動の規模は空前のものになろう。オリンピック開催前、中国が同件に関する行動は、国際社会が必ず公正な判断を下し、それによって、各国の中共に対する政策も変わるのであろう。
高氏は中国の人権および法治の現状を象徴している。今日の中国は暗黒の状態で、法制のない中国の中の人々は非常に危険な深い淵に陥っている。高氏が仮にひどく弾圧されて、救援がなければ、中国の未来はどうなるか予断を許されないのだ。高氏が刑務所へ送られても、数十人の声援者は次から次へと立ち上がるのだ。我々は精神的に十分覚悟しており、誰も中共を恐れてはいないのだ。
記者:高氏の逮捕は、中共上層部内部では2つの派閥に分かれ闘争が起きていると言われているが、同件についてはどう思うか?
郭氏:十七大のために中共上層部内で厳しい権力闘争があるのは必然だ。しかし、権力闘争の過程において、民間社会で起きている人権擁護活動をどう対処するか、それぞれにとって重要な試金石となるのだ。今回の事件からみると、中共上層部において、一部の人は互いに秘密な協議に達したことを示していると考えられる。しかし、我々が高氏を救出するやり方によって、中共内部の権力闘争を促し、中共体制内部で良知を持つ人を立ち上がらせ、没落の一途をたどる中共の非合法行為を阻止できるのだ。
記者:中共当局は、高氏の逮捕で、中国国内の反体制派がどれくらい存在しているかを探り、中共の専制統治を強化しようとしたのか?
郭氏:それも可能である。中共は高氏の救出に対して、国際社会および中国の民間社会が結合する力を探り、最終的な選択をするのだ。
我々は1人の救出に注力しているのではなく、中国人民の気勢を盛り上げているのであり、中国の民主運動および人権擁護運動を支援している。今回の救出活動は特殊性が伴うものだけではなく、大局的な意義があるのだ。
高氏の受難は意義あるものだ。彼の名声で、彼の入獄とこれからの救出行動で、中国国内における自由、民主、人権の力をさらに発展させることができる。中共専制統治者は我々を制御し抑えることができると考えているが、それは不可能であると我々が行動で明確に示す時が来たのだ。
一方、「未来中国論壇」は17日に緊急声明を発表し、中共当局は法的手続きを踏まえずに高氏を強制的に連行したこと強く譴責し、このやり方は、中共胡錦濤・温家宝政権、曽慶紅および羅幹からなる情報特別機構が、人権擁護人士を国内最大の敵と見なしたことの証明であると指摘した。また、中共ファシズム暴力団行為に抗議し、高智晟弁護士を直ちに解放することを要求し、世界各民主国家政府および人権機構へ、高氏の救出に関心を寄せるよう呼びかける。