中国:秘密収容所臓器売買の実態

【大紀元日本4月4日】日本駐上海領事館の男性館員自殺事件をいち早く報道したため、中共政権に追われ、米国へ脱出した中国人ジャーナリストのR氏は3月の初め、中国で法輪功学習者の臓器を摘出し、売買する巨大な秘密収容所の存在を暴露した。その後、さらに2人の情報提供者が現れたことによって、中共政権の国家犯罪の裏幕が明るみに出された。法輪功への集団迫害を調査する国際機構の「追査国際」は、この事件に関する「調査報告書」を公表した。

R氏は日本の某報道機構に在職していた。中国ニュースを担当し、制作した番組を各大手テレビ局に提供していたという。

数々の真相を暴露したR氏(大紀元)

R氏から提供された情報によれば、中国東北部の瀋陽市の蘇家屯地区に巨大な秘密収容所があり、その中に数千人の法輪功学習者が監禁されている。中共政権はまだ生きている彼らの臓器を摘出し、国内外の移植を待つ患者に販売している。死体は所内の焼却炉で焼却し、証拠が完全に隠滅されているという。

この秘密収容所の真相を報道してからまもなく、さらに複数の情報提供者が現れた。その一人は元遼寧省血栓中西医結合医院(瀋陽市蘇家屯区雪松路49号、以下「血栓医院」と略す)の女性スタッフで、現在米国に在住している。

彼女の証言によると、その秘密収容所は血栓医院の大規模な地下施設を改築したものであり、2001年ごろに約6千人の法輪功学習者を監禁していたが、その中の4分の3の人はすでに腎臓、肝臓、角膜などを摘出された後処分された。現在にも約2千人の法輪功学習者が収容されている。ほとんどの人は秘密に逮捕されたため、家族にも行方を知られていない。学習者の多くは、生きたままで臓器を摘出され(生きたままの人から摘出した臓器は死体から摘出した臓器より売価が遥かに高いという)、そしてボイラーを改造して造った病院内の焼却炉で焼却処分された。彼女の前夫は、かつて数年間にわたって臓器摘出の執刀医を担当していた(非常に信頼されている医者だけが臓器摘出の執刀医に選ばれるという)。2003年、前夫の精神状態がおかしくなり、再三尋ねたところ、この事件に関与している事実を彼女に打ち明けた。病院職員の多くはこの秘密収容所の存在を察知していたが、自分の安全を配慮し、厄介な事を引き起こすことに恐れて、堅く口を閉ざしているという。

彼女の証言を受けて、大紀元記者は血栓医院に電話取材しようとしたが、電話口に出た男性は、秘密収容所の存在について、肯定も否定もせずに、「うん、うん、」と繰り返し、言葉を濁した。

そして、3月31日に瀋陽軍区のある軍医が匿名で新たに蘇家屯秘密収容所での臓器売買の事実を証言した。以下は証言内容の一部である。

中共政権は法輪功学習者を「政権の敵」と指定し、厳しく弾圧すべき対象となる重犯罪者だと宣伝している。法輪功学習者の臓器を摘出し、販売する蘇家屯秘密収容所のような施設は、全国に36ヶ所もある。蘇家屯秘密収容所の実在、および法輪功学習者の臓器売買、死体或いはまだ生きている人の焼却処分などは、全部事実である。私が知る限り、2005年初めに、蘇家屯秘密収容所に1万人以上の法輪功学習者が監禁されていた。今でも600-750人が収容されており、多くはすでにほかの収容所に移送された。私が見た内部の秘密資料によると、法輪功学習者を監禁する最大の秘密収容所は東北部の吉林省にあり、「672-S」という略称で、正式名称がなく、住所も分からない。全国各地で法輪功学習者や、重犯罪者、政治犯など12万人以上が収監されている。

法輪功への集団迫害を調査する国際機構の「追査国際」は、このほど調査報告書を公表し、情報提供者らの証言を裏付けた。以下は調査報告書内容の一部である。

1.東北部の瀋陽市に、中国での主要な臓器移植施設と巨大な臓器バンクが存在している

瀋陽市で約10軒の病院は臓器移植を実施している。そのうちの数軒のデータから見ると、瀋陽軍区総医院(その泌尿外科は軍部の腎臓移植センターである)は、2006年1月まで、計1500例以上の腎臓移植を行った。解放軍463医院も、相当数の腎臓移植を行なった。他に、中国医科大学付属第一医院の臓器移植科は2005年まで、腎臓移植が600例以上、肝臓移植が120例以上を行なった。

さらに2003年から瀋陽市にある中国医科大学に「中国国際移植網援助中心(China International Transplantation Network Assistance Center (CITNAC))」が設立されて、同機構はホームページを通じて、5カ国語(英語、日本語、韓国語、ロシア語、中国語)で毎年100例以上の腎臓移植と20例以上の肝臓移植を成功していると宣伝し、世界各地から移植を受けたい患者を募集している。移植医療先進国のアメリカでは、腎移植を受けるために、適合の臓器を待つことは、3年から7年の時間が必要であるのに、同機構のホームページに、「腎臓移植の待機時間はわずか1週間から1ヶ月で、例え移植中に提供した臓器に問題が発見された場合でも、必ず1週間以内で新たな腎臓を提供できる。また肝臓移植の待機時間も大体1ヶ月で、長くても2ヶ月超えない」と記載している。腎臓が摘出された後、24時間(米国では48時間)以内に移植完了しなければならないので、このように随時随所で臓器を提供できることは、巨大な生体臓器バンクが存在しているとしか考えられない。

生体臓器バンクの存在を裏付けるもう1つの証拠がある。保守的な伝統観念により、中国人のほとんどは死後の臓器提供に否定的である。国際社会から中国でのたくさんの臓器提供に疑惑の目が向けられたため、中国衛生部の副部長・黄潔夫氏は2005年7月、「中国の臓器提供者はほとんど死刑囚である」と発言した。しかし国際人権団体アムネスティ・インタナショナルの年次報告によると、中国で毎年処決される死刑囚は3400人あまりだという。医学上では、血縁関係のない人からの腎臓移植の完全適合率は数百万分の一であり、不完全適合移植でもその比率はかなり低い。つまり、中国全土の死刑囚の臓器をすべて瀋陽市の病院に提供しても、このように随時随所の臓器移植も不可能である。しかし瀋陽市にある中国医科大学第一付属病院臓器移植科の呉剛助教授は、2004年12月24日の中国紙「華商報」に、「現在、瀋陽市の腎臓提供源は充分の量がある」と談話を発表した。米国在住の民主活動家、中国情報センター責任者のハリー・ウー(Harry Wu)氏はRFAの取材を受けた際、「中国の病院で毎年1万例以上の臓器移植手術を行っており、一体どこからこんなたくさんの臓器を提供できるのか、死刑酸xun_ネ外にも巨大な闇の生体臓器バンクが存在しているに違いない」と指摘した。

2.全国範囲で、臓器移植が数多く行われており、秘密収容所も瀋陽市蘇家屯地区以外に数多くある

中国紙「影視図書週報」の報道では、天津市第一総合病院は臓器売買で大儲けした「病院」の1つとしてリストされている。この病院の移植外科部門のもうひとつの名称は「東方臓器移植センター」であり、世界最大の臓器移植機構ともいえる。看護主任の李蓮氏は取材を受けて、「2002年から大勢の韓国人の患者を受け入れ始め、病院の入院施設で対応できなくなり、付近の別の病院の病室や、近くのホテルの2つのフロアーを借り切りで使っていた。それでもまだ足りないため、近いうちに約500人の患者を収容できる入院病棟の新しいビルが完成され、2006年5月から使用可能になる」と商売繁盛ぶりを語っている。

東方臓器移植センター

さらにこの中国紙は「2004年末まで、この病院は計1500例の肝臓移植と800例の腎臓移植を成功させ、角膜移植もしている。2004年だけで、約900例の肝臓や腎臓移植を成功させた。移植センターの医療主任・瀋中陽氏によると、2005年の1年間で650例の肝臓移植を行った」と報じた。内部情報筋によると、2005年12月16日からの2週間で53例の肝臓移植をした。最も多いときには、一日24例の肝臓と腎臓を移植したという。

中共当局の統計によれば、1991年から1998年までの8年間で、全国でわずか78例の肝臓移植を行なったに留まる。しかし1999年法輪功への弾圧が始まってからは、肝臓移植が激増した。中国紙「健康報」の2004年11月2日の報道では、「1999年、2000年、2001年には、それぞれ118例、254例、486例の肝臓完全移植が行われた」と報じた。2003年になると、さらに急増し、計3000例の肝臓完全移植が報告されたという(東方器官移植センターのホームページの情報による)。

2004年以来、計100人以上の日本人の患者が瀋陽市で臓器移植を受けた。2003年から3000人以上の韓国人の患者が中国で移植を受けた。「大韓臓器移植学会」の総理事で、ソウル大学病院に在職する河鐘遠氏は、「報じている人数が氷山の一角にすぎず、実際に中国で臓器移植を受けた韓国人の患者はもっと多いはずである」と指摘した。そのほかにもイスラエルや、カナダなど世界各地から毎年千人以上の患者が中国に押し寄せて、臓器移植を受けている。

「追査国際」の調査員は、移植希望の患者に扮して、天津市、上海市、広州市、北京市、遼寧省、湖北省、河南省、山東省など各地の病院に対して電話調査を行った。その結果では、ほとんどの医療機関が法輪功学習者から摘出した臓器を使っていると認めた。以下は電話調査内容の一部である。

調査例1.湖南省某医科大学付属医院

病院関係者:我々が選ぶのは皆若くて健康な人の腎臓です。年配者のものは一切使っていません。

調査員:法輪功学習者の臓器を提供できるかどうか・・・

病院関係者: それはご心配が要りません。

調査例2.山東省某病院

調査員 : 法輪功学習者のような人の健康の腎臓があれば・・・

病院関係者: うん・・・、4月になると、このような供給源が多くなるはずですが、最近すでに増えています・・・

調査員:どうして4月になると、増えるのですか?

病院関係者: この問題は説明しにくいので、これは・・・うん・・・まあ、とにかくこの問題を解釈する必要がありません。しかも解釈できない・・・。

調査例3.広州某病院

調査員:腎臓移植はどのぐらい待つのでしょうか?

病院関係者: 当方の病院では約1週間待機すれば、移植できます。

調査員: しかし提供される腎臓は健康で、新鮮なものですか、死体からのものではないよね。

病院関係者: 品質は絶対に保証します。

調査員: 法輪功学習者の臓器って、ありますか?

病院関係者: 当病院では全部この種類のものです。

調査例4.天津市某医科大学

調査員: 医者によると、法輪功学習者の腎臓は非常に良いと言われていますが、法輪功を修煉しているから、健康状態がとても良いと聞いていますが、本当ですか・・・

病院関係者: もちろんそうです。うちの病院にもそのような人からの臓器もあります。しかも、呼吸や心拍が止まっていない生体からの臓器です。今年はすでに十数個このような腎臓がありました。・・・提供される臓器の品質は非常に大事です。若い人から、血流が止まった直後、或いは止まってないうちに摘出した腎臓を移植すれば、非常に効果が良いです。これは確かなことであります・・・。

以上のような生々しい証言や情報から、中国国内に、法輪功学習者の臓器を摘出し、売買する秘密収容所の存在が裏づけられた。しかも瀋陽市蘇家屯地区だけではなく、全国各地に設立されている。

秘密収容所の真相が世界各地で暴露されてから、中共政権は3週間の間にずっと沈黙し続けていた。3月28日にようやく沈黙を破った。中国外交部のスポークスマンの秦剛氏は、定例記者会見で、事実を完全に否認するコメントを発表し、これは中国の司法制度に対する悪意的な攻撃だと発表した。中共衛生部の黄潔夫副部長は昨年7月、国際社会に向けて、死刑囚から臓器を摘出していることを認めたが、今回、秦剛氏の発言は死刑囚からの臓器摘出すら完全に否認した。

関連記事
台湾の外科医が中国での違法な臓器移植仲介の罪で起訴された。今回の起訴は台湾での2015年の法改正以来、初めて。強制的生体臓器摘出が再燃する中、医療倫理や人権問題が焦点となっている。
12月10日、中国で厳しい弾圧の対象となる気功、法輪功の日本在住の学習者による証言集会が開催された。出席者は中国で家族が拘束されている現状や、自身が拘束中で受けた拷問の実態を訴えた。現在米国在住の程佩明さんもオンラインで参加。程さんは収容中に、拷問を受け、臓器を摘出された実体験について語った。
ドキュメンタリー映画『国家の臓器』が上映された。映画は中共による、生体臓器摘出の実態を描いており、映像を見た観客からは「非常に非人道的な行為だと強く感じた」「もっと多くの人に事実を知ってもらう必要がある」などのコメントが挙がった。
中共による臓器摘出から生還した程佩明さんが真実を告白。暗殺の危機に直面しながらも、真実を語り続ける姿勢に世界が注目し、米国も保護を進める。人権侵害の実態に対する国際社会の連帯が求められている
中国の中南大学湘雅第二病院に勤務していた羅帥宇氏が、不審な死を遂げた。生前の録音から、同病院が臓器移植研究のために子供のドナーを求めていた可能性が浮上。彼の家族は、羅氏が病院告発を計画していたことから口封じされたと主張している。