【大紀元日本1月28日】アジアの大衆文化で今最もホットなのが韓国。テレビドラマ、映画、歌手に始まった韓国ブーム、いわゆる「韓流」が、今やファッション、化粧品、電気製品にも広まりつつある。
『宮廷女官チャングムの誓い』が大ヒット
日本でも話題となっている韓国のテレビドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』が、昨年中国大陸、香港、台湾で視聴率記録を塗り替える大ヒットとなった。これは、韓国の宮廷料理人の頂点を目指すヒロイン、チャングムが宮廷内の権力争いに翻弄されながらも、やがて医学を学び、ついには王の主治医の地位に登りつめるサクセスストーリーであり、そのドラマに登場した俳優はアジア各地で人気スターとなっている。
20世紀の90年代末ごろから、韓国は映画やテレビドラマを海外に輸出し始めた。当初、アジアの各テレビ網がそれらの番組を購入したのは、単に比較的安かったことによるのだが、中国やフィリピンをはじめ、多くの国の視聴者がまたたく間にこれらの作品のとりことなった。
感化の要因は文化的類似性
香港嶺南大学で文化研究学を研究するリサ・リャン助教授は、これらのテレビドラマがアジア各国の人々を大きく感化している原因の一つは、それらが文化的にアジアの視聴者に親近感を持って受け入れられるものであるからだとして、次のように分析した。
「アジア各国の視聴者にとって、韓国の俳優の肌や髪の毛の色、顔立ちは皆自分たちと似ており、ドラマの中で演じられる価値観も共通のものである。それに、家庭観念、親孝行、兄弟姉妹や友人間の感情等を重んじているということとも関係があるだろう」。
また、アジア各国では、人気歌手BoAをはじめ、多くの韓国人アーティストが崇拝されている。ある香港の若い女性は、大好きな歌手で俳優のピ(Rain)の出ている雑誌やポスターを集めており、「彼のことが大好き。私は彼の忠実なファンなの。彼はダンスが上手いし、歌も上手で、ドラマの中での演技も最高だわ」と語った。
このように、韓国のドラマや映画、音楽が歓迎さることによって、アジア各地では韓国と関係する様々なものも人々の関心を集めている。
韓流が引き起こした整形ブーム
香港のマーケットでは子供向けに韓国の伝統衣装が売られているし、中国では新婦が韓国の伝統衣装を身に着けて結婚写真を撮る光景が見られる。韓国語学習も、韓国食品、韓国ファッション、韓国化粧品と同じく、アジアの多くの国で流行している。また、中国では、この韓流によって多くの中国人が整形手術をしようとする現象が起こっており、これについて、リサ・リャン助教授は次のように分析している。
「中国では、若い女の子だけでなく、少し年配の女性まで整形手術をしようとしており、みんな、韓国式美容整形を専門に行う病院へ行く。これは、別に韓国人のような顔立ちになりたいと思っているからだけではなく、おそらく韓国ドラマの影響を受けて、もっと美しく見えるようになりたいと望んでいるからだろう。」
韓流が韓国製品の販売を後押し
また、リャン助教授によると、コマーシャルに韓国のアイドルが登場することによって、サムスン(三星)の携帯電話やLG電子の家電製品といった韓国製品が販売量を増やしている。
シンガポール国立大学大衆メディア学科の韓国人助教授・シム氏によると、海外で生活する韓国人も韓国ブームによって大きな恩恵を受けていると言う。例えば、シンガポール在住の韓国人主婦は、「韓国のテレビドラマや映画が歓迎されることによって、シンガポールの地元の人たちの韓国人に対する態度が今まで以上によくなった」と語った。
アジアの多くの地域では、韓国は今、「かっこいい」の代名詞になり、韓国人はこの現象に対して新しい言葉を作り出した。それがつまり「韓流」である。
かっこよく、ファッショナブルで、いきいき
シム助教授は、韓国自身もこの韓流ブームに乗ろうとしているとして、次のように語った。「韓国の多くの地方都市も、韓国伝統劇や映画や国の象徴的なものをテーマにして、様々な公園を作った。韓国がこれまで海外の人々に与えていた印象は、労働者のストライキであり、学生が民主を勝ち取るために行うデモであった。ところが、現在人々の韓国に対する印象は、『かっこよく、ファッショナブルで、いきいきしている』というものに変わりつつある。このことから、韓国政府は最近、観光業のために正式に宣伝活動を展開し始め、自国を『活気みなぎる韓国』と称するようになった。」
韓流によって、韓国人は大いに誇りを取り戻した。この数百年来、韓国は殖民統治下に置かれたり、隣国日本と中国の影になったりしてきたが、今やついに、文化の舞台でこの両国を追い抜くチャンスを得たのである。
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