何清漣: ピラミッド構造の上位5%が富を占有する危険な中国社会

【大紀元日本11月27日】今年7月、中国社会科学院は四川省成都市において「和諧社会成都フォーラム」を開催し、2001年に当院が発表した中国社会の「十大階層(玉ねぎ型構造とも称する)」説を改めて提起した。一部の学者は、社会科学院のこうした社会階層の区分は、中国経済に詳しい社会経済学者何清漣が2000年に発表した「現在の中国社会における社会構造の変遷に関する総体的分析」がもたらした影響を減少させるようと、中国において現在存在する主要な社会矛盾を隠蔽することを意図したものと考えている。

この考えについて、本誌の取材に対して、何氏は中国大陸は、下層人口が84%を占めるピラミッド構造をしており、ピラミッド構造の頂点にいる5%が、権力を利用してお金を収奪する権力分子であり、こうした社会は非常に危険であると指摘した。

「中国の現在の社会構造は、貴方が『現在の中国社会における社会構造の変遷に関する総体的分析』を発表した2000年比べ、どのように変化したのか」の質問に対して、何清漣は、現状は2000年に研究を行った頃のままであるとの見解を示した。

氏によると、当時の研究によると、中国総人口(就業総人口)の1%が、国家及び政府の高級指導者層で、省、地方、中央の人や、官・財が結びついた企業を含む、国有大銀行、国有大企業の責任者で構成されている。これらの人々に地位が少し劣る4%の人は、収入もまた、彼らより少し劣っている。何氏は、これらの人を中高層と区分した。

このほか、11・4%の中産階級がおり、大学教師、中学校・小学校の教師、幹部、新聞業従業者、技術者で構成されている。また、69%の下層者は、都市部で一定の仕事を持っている者、農村で栽培を行っている者、農村企業の従業者で構成されている。残された14%余りは、辺縁階層に属しており、都市部でリストラされた労働者、農村から都市に流入したが仕事が見つからない農民を指しており、これらの人々が、社会の最下層であるという。

氏によると、大陸の人口構成から見て、中国の社会構造は、実際上、ピラミッド型の社会となっているという。ピラミッドの底辺は、すなわち辺縁階層、下層階層の人々である。ピラミッドの頂点に立つ5%は、権力を利用してお金を収奪することができる権力分子である。その一方で、社会の低層部が過大であるような社会構造は、非常に危険である。最大の危険は、階層間に社会的な憎しみ、摩擦が充満することであるという。

この十数年来、中国低層部にある貧困人口がますます増加している。農村だけでも、1億4000万人余りが、手に職がなく、経済的収入もない過剰労働力となっている。

さらに、都市で働く農民出稼ぎ労働者は億にも上るが、彼らも間違いなく下層部に属する。都市においては、こうした最下層労働者が1億人余り、リストラされた労働者数一千万人等々がいるほか、中学卒業後長期に渡って就職が見つからない失業の若者が存在する。これらを足し上げるだけで、既に3、4億人に達する。中国にいる9億人の農民の中で中高層にある者は10%を越えないことに間違いはなく、残りの90%は全て最下層に属している。

何氏によると、中国の総人口は13億人- – – 実際はもっと多いであろうが、統計に含まれないのは社会の辺縁にある階層である- – -においては、10億人余りが社会の最下層に属している。この社会階層は非常に膨大である。

何氏は、中国社会科学院の結論は誤りであり、彼らは、大陸が、上層部が少なく、中間層が発達しており、最下層もまた少ない社会構造であるとしていると指摘した。何氏によると、上層部が少ないのは正しいが、この報告は、中国の中間層が最も多いと述べており、中国の現実を全く無視しているという。

(記者・林和順、鹿青霜)

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