法輪功弾圧:スポークスマンが語る迫害の真相

【大紀元日本7月26日】中国共産党(以下、中共)が法輪功への迫害を始めて6年になるにあたって、大紀元・辛菲記者が、法輪功スポークスマン・張而平氏にインタビューを行った。張而平氏は、メイソン・フェローとしてハーバード大学ケネディスクールを卒業し、現在はアジアの発展途上国の経済問題に関する研究に従事している。以下は、張氏へのインタビューの内容である。

記者:法輪功はなぜ弾圧されたのだと思いますか。

張而平:皆さんご存知のように、1992年に法輪功が世に公開された後、中国当局は、健康増進と社会道徳の回復に驚くべき効果があるとして、法輪功を表彰し、併せて多くの地域で広めた結果、修煉者が急速に増えました。1998年に公安部が行った調査の内部資料によれば、わずか数年で法輪功修煉者の数は、7000万から1億人にも増え、共産党員の数を超えており、しかも、その中には、政府高官や社会の各界の精鋭も含まれていました。ただ、法輪功の「真・善・忍」の価値観と、中共の宣揚する階級闘争と暴力革命の理念は、本質的に異なります。中国の伝統文化の一つとして、法輪功の広まりは民族の文化と文明の復興を表しており、併せて、西欧からの舶来品である共産党の学説とは決定的に異なる意識形態を提供しました。法輪功は政治的な主張を一切持っていないにもかかわらず、当時の中共の首領・江沢民とその一味は、これに対して極度の恐怖心と嫉妬心を抱き、そんなにも多くの人が法輪功を修煉しているのが許せませんでした。そこで、彼らは、手中の権力を利用して、1999年7月20日、史上稀に見る大規模な弾圧を発動したのです。その残忍な手段は前代未聞でした。

記者:現在、中国の法輪功学習者が受けている迫害は減りましたか。

張而平:中共は、法輪功に対する迫害の手を緩めていないばかりか、手法がさらに巧妙になりました。ただ、以前のようにあからさまではなくなったというだけです。表向きは緩やかであっても、内ではいっそうきつくなりました。明慧ネットやその他の人権組織の資料によれば、迫害によって死亡した中国の法輪功学習者は、3月が209人、4月が350人、5月が429人、6月が230人です。1999年7月20点xun_ネ降の6年間で、各種のルートを通じて死亡が確認された人は、合わせて2704人に達し、全国の30余りの省、自治区、直轄市にまたがっています。

最も典型的な例は、遼寧省瀋陽市魯迅美術学院財務課の職員・高蓉蓉さんです。高蓉蓉さんは、2003年6月22日、地元の警察によって自宅から連行され、2年間にわたって迫害の苦しみを受けました。不当に監禁され、労働教養を受けている間に、彼女は繰り返し殴打され、片方の耳の聴力を失ってしまいました。さらに、7時間近くにわたってスタンガンによる迫害を受けた結果、顔面にひどい火傷を負いました。全身の器官は衰弱し、骨と皮だけにやせこけ、命の危険に陥りました。一旦は、法輪功学習者によって助け出されましたが、“610”オフィスのボス・羅幹の指示によって、2005年3月に再度連行され、2005年6月16日、瀋陽の中国医科大学第一付属病院の救急治療室で亡くなりました。

国際社会の譴責を避けるため、中共は、ひたすら迫害の事実を隠そうとしました。しかし、歴史はこれら全ての事件、全ての血の債務を刻みとめています。昔から、善悪には報いがあると言われます。天の道義は近い将来、正義の手を差し伸べ、殺人者たちに法の裁きを与えるはずです。

記者:99年7月20日の迫害開始以来6年間、法輪功学習者たちは毎年、集会やデモ行進などの活動を行い、中共による法輪功迫害を非難してきました。今年はどのような活動を予定しているのですか。

張而平:国際社会の各界の善良な人たちや組織の協力によって、私たちは1999年から毎年、7月20日の前後1週間に世界各地で各種の活動を行ってきました。例えば、アメリカの法輪功学習者たちは、今週木曜日に国会山荘で集会を行います。テーマは、「中共のテロ行為を制止し、法輪功に対する迫害を終わらせよう」です。今晩は、リンカーン記念ホール前でキャンドル追悼活動を行います。

私たちは、こうした活動を通して、さらに多くの人に、中共による法輪功への残酷な迫害と中共の本当の姿を知ってもらい、互いに協力してこの迫害を制止したいと思っています。多くの人がすでに分かっていることですが、法輪功学習者の真・善・忍に対する信念は、暴力によって変えうるものではありません。6年来の法輪功の平和的な訴えがそのことを証明しています。

記者:法輪功への迫害は、中国そして世界にどんな意味を持っていますか。

張而平:中共は、法輪功迫害に際して、国のあらゆる道具を使い、莫大な国家財力を費やしました。これは、国際法と中国憲法に反する犯罪行為であるばかりか、本質的に、中華民族、中国文化、人間性に反する大きな災難と言えます。これは、中共の残忍さとやくざ無頼の本質を描き出しており、世界の文明と平和と安定が直接危機に晒されていると言えるでしょう。

中共の江沢民集団は、国家のあらゆる機構を利用して、法輪功を全面的、系統的に迫害しています。中央から地方(省、市、県、区、鎮、郷など)の各級政府機関を利用し、全ての人力、物力、財力を投入し、党、政府、法律、軍警察、公安・検察・裁判所、国家安全部、スパイ、メディア、科学技術、外交、町内会、各種機関、企業、工場、学校、家庭などを総動員して、法輪功を迫害しています。江沢民は、法輪功が世に伝えられ、中国が文明社会に歩み出そうとする歴史的命運を一掃してしまったばかりか、民族全体が中華のよき伝統に回帰しようとする道を断ち切ってしまったのです。

そればかりでなく、中共はさらに、迫害の魔の手を海外にまで伸ばし、西側の自由民主国家でもテロ行為を行っています。彼らは、海外でも膨大なスパイ網と破壊活動によって、各国人民に恐怖と不安をもたらしました。その災難は全世界に及んでいます。

記者:中共がこれほどひどく法輪功を迫害しているにもかかわらず、法輪功学習者の信仰を打ち崩すことができないのはなぜですか。また、法輪功学習者は、あれほどひどく迫害されているのに、依然として修煉を続けるのはなぜですか。

張而平:法輪功学習者たちが6年間にわたって真相を伝えることによって、人々は次のような事実を知りました。法輪功学習者は、功法の練習以外に、心性の修煉を非常に重んじ、「真・善・忍」の原則に従って、無私で正々堂々としており、高尚な道徳心を持ち、崇高な精神を持ったすばらしい人になろうとしています。私たちは、健康な身体を手に入れただけでなく、法輪功から人生の意義を悟り、併せて生命の本質を支える精神的支柱を手に入れることができました。

正にこうであるがために、これほど多くの人が死を恐れずに学びにやってきたのであり、わずか数年で急速に世界中に広まったのです。正の要素によって、一切の邪の要素が世に暴露され、一切の邪悪なものが恐れをなしました。法輪功学習者の真理を堅持する原則と、平和的な手段で訴え続ける理念が人々に深い印象を与えました。この一切は、「真・善・忍」の精神に源を発しています。ところが、これら全ては、中共と江沢民集団が目にしたくなく、容認しがたいことであり、彼らには妬ましく、理解できないことだったのです。

暴力と虚言の前で、法輪功学習者たちは常に、「真・善・忍」の理念を実践し、真心で虚言を融かし、善良で良知を呼び覚まし、堅忍不抜な心で残虐な悪を融かしました。

時間と歴史がこの一切を見届けています。法輪功が提唱する「真・善・忍」の原則は正に、人類が存在するための普遍的な道徳観であり価値観なのです。この十数年来、世界各国の1億人以上の法輪功学習者がいい人になろうとしてきた実践が、充分にこの点を証明しています。法輪功は、人々に健康な体と高尚な道徳修養をもたらしました。いかなる環境の下でも、法輪功は、国家、民族、社会、個人に多くの利益をもたらしてきたのです。

記者:現在、多くの法輪功学習者が共産党から脱党しており、法輪功は政治に関わっていると言う人がいますが、この問題をどう考えますか。

張而平:法輪功は政治には介入しません。法輪功学習者の脱党は正に、中共が中国の人々にむりやり押し付けてきた、「誰もが政治を優先しなければならない」という政治から脱却するためです。中華の民族と文化を害してきた中共から脱却し、それと与しないということは、良心を持つ中国人の正当な選択だと言えます。

法輪功は修煉者に、俗世間の権力や名利の争いに関わらないよう求めていますし、いかなる政治的綱領や政治的訴えも持っていません。つまり、法輪功が政治に参与しないというのは、その本来の特徴によるものなのです。

皆さんご存知のように、法輪功の全ての活動は、公開されており、平和的です。私たちの活動は、大衆社会に、中共による法輪功迫害の真相を伝え、中共の虚言を明らかにすることによって、その暴行を阻止することを旨としています。これは、真実を伝えることであり、悪を抑え、善を広めることであって、決して政治への関与ではありません。

記者:元中共官員の陳用林、郝鳳軍、韓広生の各氏が自ら進んで中共の法輪功迫害の内幕を暴露しましたが、これは何を意味していますか。

張而平:これは、中共の6年間にわたる国内外での法輪功に対する監視と迫害が人心を得ることができず、破綻と瓦解に直面しているということを意味しています。陳用林氏たちの中共からの離脱は、海外の外交官とスパイに正義の手本を示しました。私たちは、彼らの勇気と良知ある行動に歓迎の意を表します。道義にかなえば多くの支持が得られ、道義にもとれば多くの支持を失います。事実が証明するように、中共の法輪功迫害は、天理に背き、民心を失うものであり、その結果、必然的に失敗への勢いが加速され収拾する術がなくなりました。中共の国内外の官員がみな、陳用林氏たちのように勇気を出して立ち上がり、正義を擁護してくれることを望んでいます。近い将来、法輪功迫害に関与した全ての人が、歴史の彼らに対する正義の審判から逃れられなくなるでしょう。

記者:この迫害を終わらせるために、わたしたちは何ができますか

張而平:私たちは、国内外の多くの善良な人たちや団体、政府部門の法輪功に対する同情と支持に感謝しており、さらに多くの人が中共による法輪功迫害の真相を理解してくれることを望んでいます。皆さんは、法輪功ウェブサイトからさらに多くの状況を知ることができますし、家族や友人、政府やメディアに中共の法輪功迫害の事実を紹介することもできます。そうすることによって、力を合わせて一日も早く、この迫害を終わらせようではありませんか。

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