張傑連、『九評』・脱党と西側の関係について語る

【大紀元日本7月20日】大紀元のシリーズ社説『九評共産党』(共産党についての九つの論評、以下『九評』)が昨年11月18日に発表されて以来、またたく間に世界中の華人のホットな話題となり、中国共産党(以下、中共)との決別と脱党のうねりが世界規模で引き起こされ、現在ネット上で脱党を宣言した人は300万人に達しようとしている。

 あわせて、西側社会の関心も次第に高まり、最近はますます多くの各国の政府要人が、次々に中国の人々の脱党のうねりを公に支援するようになった。7月22日、世界の50の国と地域から、中国人や西側諸国の人々がアメリカの首都ワシントンに集結し、中国人の共産党脱退支援のための一連のグローバル活動が行われる。

 大紀元記者・辛菲が、7月16日、大紀元のコラムニストで特約評論員の張傑連氏にインタビューし、『九評』・脱党と西側世界との関係について意見を聞いた。

 西側の長期的な利益に合致する

 冷戦時には、共産主義陣営と西側の自由民主陣営が長期にわたって対峙していたのだが、東欧と前ソ連の共産陣営の崩壊によって、西側社会は肩の荷を下ろした。しかし、事はそれほど簡単ではなく、中国共産党を中心とする変異的な共産体制の下での党文化の影響が、西側に絶えず浸透しており、西側社会にも多少なりとも某かの憂慮が見られる。アメリカのブッシュ大統領は、再選されたとき、民主の理念を全世界に植え付けなければならないと述べ、根本的に問題を解決しようとする決意を表明した。

 世界中の人々が、1年後か20年後かは分からないが、中共は必ずや滅亡すると考えている。西側諸国は長期にわたって、経済的手段によって中国に平和的な変化をもたらそうとしてきたが、事実が証明する通り、その方法では失敗に終わった。最近、欧州議会の主席が中国を訪問した際、はっきりと次のように述べた。EUは、中国に対する武器の輸出禁止を取り消すわけにはいかない。その主な理由は、89年以降、中国の人権に全く改善の兆しが見られないということである。この十数年間は、西側が中国に大きな影響を与えてきたと考えられるが、結局はその役割が逆転し、今は中共が西側に影響を与えており、西側から中国に対する経済援助も、中共によって、西側に対する経済的買収に用いられている。つまり、当初の西側経済が中国に影響を与えてきたやり方が完全に効力を失い、今では、中国でのゴールド・ラッシュは夢と化してしまった。西側世界も軍事・政治方面で影響を与えることによって中国を変えようと試みたことがあるが、結局は全て失敗に終わった。

 西側世界は、海外の民主運動も使って、中国に自由・民主を促そうとしてきたが、いずれもうまくいかなかった。その根本的な原因は、中国内部の庶民の心が本当に動くことはなく、依然として中共に対する幻想を抱いているということである。内部の要因が変わらなければ、外部にその影響が現われることはほとんどない。

 もしこのままじっと待っていれば、世界はいつの日か、中共が極度に膨れ上がることによって崩壊してしまうだろう。人々の道徳心は地に落ち、自然の生態系が破壊され、世界は中共に搾り取られ、苦しみをなめることになる。そうなると、西側はどこへ歩めばいいのであろうか。

 『九評』とそれによって引き起こされた脱党のうねりは、中国の人々が初めて自ら目覚め始めたことを意味する。中共の本性を認識し、道徳的良心をよみがえらせ、悪を遠ざけ善に近づこうと勇気を出して立ち上がり、明るい未来に向かって歩み出すために自らを省みることを選んだのである。これは、中国人の内的要因が動き始めたことを意味しており、中共の問題を解決する最良のきっかけを世界にもたらしたことになる。つまり、中国人が平和的・理性的に自らの問題を解決し、自らの未来を新たに選択できることによって、このような中国の問題を解決するための思いもよらなかった最良の方法が現れたということである。今が正に、西側が全面的に協力して、中国に自由と民主を打ち立てるいいチャンスであり、西側の自由世界が待ち焦がれていたように、世界規模で共産主義の独裁が取り除かれようとしているのである。しかも、道徳と良識を目覚めさせるという平和的・理性的な方法であれば、武力を使うことなく中共問題を解決することができるのである。西側は準備不足ではあるが、深く認識することによってこのような絶好のチャンスを掴むことができれば、それは正に、西側社会の長期的な利益にもつながるではないか。これはまた、ブッシュ大統領が提唱した、自由・民主を植え付け発展させるという理念が、厳しいコントロール下にある中国において実質的に現れ出たということになるのではなかろうか。

 つまり、『九評』と脱党は、西側世界と密接な関係を持つ一大事であり、そのことをきちんと説明すれば、彼らにもわかってもらえるはずである。

 西側の自由・民主の精神が再び凝集される好機

 西側世界の自由・民主の理念は、この20数年間、中共が徐々に利益を餌にした買収を進めることによって、厳しい挑戦に直面している。それはますます活力を失ってきており、融和主義や中共に妥協する状況は枚挙に暇がない。西側社会は今正に、精神理念の大後退に直面しているのである。

 自由・民主は、西側民主社会の根幹であり、その根幹から遠く離れるにつれて、西側には普遍的に失望感が生まれた。真の人心にとって、本来の精神理念を取り戻すことがぜひとも必要となった。『九評』と脱党は、正義が邪悪に立ち向かう世界規模の精神運動として、西側の自由・民主の価値理念を再び凝集する絶好のチャンスをもたらしたことにもなる。

 そのような精神運動に対する支援は、自分たちの国や人民の基本的な人権の価値を根本的に擁護することにつながる。

 7月22日にワシントンDCで開かれる国際『九評』討論会と世界規模で脱党を支援する活動では、50余りの国と地域の正義の力が結集され、共同で呼びかけがなされることになる。そこではまた、世界各国の政府要人や正義の人士のために大きな国際舞台が提供され、良識ある正義の声が、この国際的な大舞台を通じて世界の隅々にまで伝えられるはずであり、その結集された力と意義は巨大なものになるであろう。

 中共は最大のテロ要因であり、西側世界はそれをはっきりと認識すべきである

 アメリカの“9.11”事件や、イギリスのロンドンで起きた爆発事件等の惨劇はみな、テロ事件であり、アメリカをトップとする西側国家は一貫して、反テロを提唱してきた。しかし、現在世界でもっとも不安定なテロ要因は誰であろうか。それは中共に他ならない。中共は一般に、世界の中でも最大のテロ組織だとみなされている。

 中共はまず、内部でテロを行う。不自然な死を遂げた人が8000万人にも上る、歴史上の数々の政治運動以外にも、中共のテロ行為は、六四天安門事件における鎮圧、法輪功の弾圧、多くの善良な人々に対する残酷な迫害、脱党者の逮捕、国家テロリズム政策の海外での展開、スパイ・監視行為、ブラックリストの作成など、止まるところを知らず、その為すこと全てが、とても正常な政党のやることとは言えず、全くもって反動的テロリストの行為にほかならない。

 アメリカ人はテロに反対している。もし、世界中の全てのテロ組織の背後にまで遡り、その源を辿れば、中共がそれらの組織にエネルギーを与えており、中共の全く原則のない行動が実は、大きな毒の源であるということに気がつくはずである。テロリストの活動のための物資や装備は第三者から得ているようであるが、よく調べてみると、全て中共がそのもっとも基礎となる部分を支えていることがわかる。樹は、枝を切り葉を落としても、再び芽を出す。なぜならまだ根があるからである。つまり、この根を取り去ってはじめて、問題を根本的に解決しうるのである。

 中共のもう一つのテロ行為は、全面的に人類の道徳と良識を破壊したことであり、しかも、金銭の誘惑と引き換えにそれを行ったのである。このような人類の基本的な価値体系の破壊は、実は、最大のテロ事件だと言える。なぜなら、多くの人がこれによって堕落し、このような力に駆り立てられることによって、人類全体が不穏状態に陥り、最後にはテロの陣営に足を踏み入れてしまうことになるかもしれないからである。

 人類の道徳は、もっとも基本的な安定要素である。もし、人々の道徳心がかなり高いレベルに保たれていれば、テロリストのつき入る隙は決して存在せず、正義に満ちたその場の強い制約を受けて、テロを起こそうとしても起こしようがないのである。

 もし中共がテロ行為をこのまま続け、西側世界が絶えず中共に輸血をし続ければ、悪性循環が究極に達し、中共が滅亡した後には恐ろしい事態が待っていることになるであろう。それは人類最大のテロ事件であり、世界規模の災難を引き起こすことになる。世界の資源、生態系、道徳理念、精神的価値はみなひどく破壊され、西側社会が恐れる多数の難民の発生や人為的災難などが相次いで現れるであろう。そこで、今のうちに中共の邪悪を抑え込めば、それは全世界にとって利益となるのである。

 西側社会は、ビン・ラディンやサダム・フセインに対して幻想を抱かないが、中共には再三騙されてきた。滑稽なことに、西側世界は、一方では反テロリズムを支持しておきながら、一方では中共に毒の源となる輸血をしてやっているのである。毒の源は、絶えず、テロ組織にエネルギーを送り込み、世界に不正常な文化を広めることにつながり、テロリストたちに直接西側社会を脅すチャンスを提供していることになる。西側は、中共を経由して、結果的には、自分で自分を殴るといった、一種の悪性循環を形成しているのである。

 中共の邪悪、武力の濫用と残虐な本性、中共の少将・朱成虎の先日の直接的な脅しがシグナルである。西側世界が中共の邪悪な本質をはっきりと見極めるべき時がやってきた。もし、今まだ中共の邪悪を正しく認識できなければ、国際社会は、根本的な是非の問題に関して判断能力を失うことになるであろう。

 中共が生き残ることができているのは、その遺伝子が変異し、西側社会が普遍的に理解している従来の共産主義の形式とは大いに異なっているからである。風邪のウイルスと同じく、生き残りたければ流行らせ、突然変異を起こし、本来の物とは完全に姿を変えるのである。

 西側世界の人々は、長期にわたって自由・民主の体制下に暮らし、本性は比較的善良である。彼らは、中共政権下で実際に暮らした経験がないため、中共の無頼ぶりがどの程度のものか想像がつかない。もし、その邪悪を充分に理解しなければ、善良は容易に無知となり、力を欠き、邪悪に左右されてしまう。善良とは決して表面的な現象ではない。中共の邪悪を充分に認識してはじめて、その善良はしっかりとした土台を持ち、そのすばらしさが表に現れるのであり、そうなってこそ大きな力を持つ善なるものに変わりうるのである。そのときには、もはや邪悪に左右されたり影響を受けることもなく、邪悪を抑えうるであろう。

 『九評』は、西側にこのような智慧をもたらし、“脱党のうねり”に対する支援は、人々の善良を呼び覚ますことになった。

 いかにして邪悪から離れ、自らを救うか。これが全世界が直面している問題である。

 この半年間で、世界中の50の大都市で、室内での『九評』討論会が約300回、屋外での集会やデモ行進が100回近く行われ、延べ3000人以上の著名な学者や中国系の政府要人、民主活動家、ならびに被害者が次々に討論会に参与したり、公に意見を述べたりして、中共の邪悪の無頼ぶりと中共が中国および全人類にもたらした被害について討論を行った。

 このようなすさまじい勢いで中共と決別しようとする世界規模の精神運動は、実は天意の表れであり、その主な目的は、人々を救い、人々を邪悪から遠ざけることである。なぜなら、今に至っても中共の邪悪と関わりを持つ全ての個人と団体は、まもなく到来する中共の崩壊の中、非常に危険な立場に置かれているからである。

 例えば、オーストラリアで陳用林の事件が起こる前は、オーストラリア政府はほとんど完全に中共に買収され、利益に屈し、しかもすでに好ましくないことを行ってきた。ところが、陳用林の事件が起きて以来、国際社会の注目を受け、強大な民意が現れたことによって、オーストラリア政府に変化が見られた。首相自ら、移民局が陳用林に保護ビザを発給したことに関して、中共からの圧力をはねのけたことを明らかにするとともに、移民局の公正な判断を称賛した。

 マクロ的に見れば、この事件の発生によって、オーストラリアは中共と距離を置き、邪悪から遠ざかった。この事件によって、前中共官員の政治亡命の風潮がもたらされ、カナダ、ヨーロッパ、アメリカなどの多くの国に影響を与えた。

 アメリカでは最近、デリケートな事件が発生した。中共の少将・朱成虎が14日、香港で、もしアメリカが台湾問題が引き金となって起こった衝突によって中国を攻撃したならば、中国は断固として核兵器を使って報復し、アメリカの数百の都市を破壊するであろうと述べた。この発言に対して、アメリカの各層は強烈に反発するとともに、人々は目を大きく見開いて中共を改めて観察し始めた。実は、この事件もまた、アメリカを中共が仕掛けた罠から救い出すことになったわけであり、つまり、中共と決別する時が来たということである。

 これはつまり天意であり、西側世界がじっくりとすぐ近くから中共の邪悪の本質を見極める時が来たということである。人類は今、中共という邪悪な党から抜け出し、自らを救い出すためのプロセスに直面している。これらは表面的には複雑だが、実は、人々を救い出すという天意が根幹にあるのである。

 わずかでも一歩歩み出せば、人類の未来の英雄となる

 西側社会の各界は、中共への決別を支持する今回の精神運動に如何にして参与するか、これは、別に複雑なことではない。ワシントンDCで開かれるグローバル脱党大集会について言えば、人それぞれに異なる方法で関わることができ、その方法は主に3つある。

 1.もっとも簡単な方法は、この出来事と活動に祝賀の意を表し、誠意のこもった気持ちを表すことであり、それが積極的な意味を持つのである。

 2.西側社会のもっとも基本的な自由人権の価値観念に立ち、道義的な支援を行う。例えば、中共は最近、公に脱党を宣言したり支援したりしている中国の著名な人権擁護者や学識者を逮捕している。中国人は中共から抜け出すことを選択する基本的人権さえも奪われているのである。このもっとも基本的な人権を擁護することも、人類社会全体の自由な価値理念を擁護することにつながる。また、例えば、もともと共産主義国家であった国から出てきた人たちは、共産政権が生み出した災難を深く経験していることから、その人たちもまた、手紙の形で個人の経歴を伝えることができるわけで、それも中共への決別運動に対する共鳴であり支援となる。

 3.中共の邪悪の本質をはっきりと認識し、『九評』を読んで体得する所のあった人は、中共が犯した罪を直接譴責し、人々に中共への決別を呼びかければいい。そうすれば、中共が脱党のニュースを封鎖し覆い隠している事態を突破できるであろう。同時に、世界中の正義の力を結集し、国際社会に中国大陸で起こっている脱党のうねりに注目するよう呼びかけ、また、国際社会に中国人が中共から抜け出すことを選択する自由権利と自由意志を保護するよう呼びかけることができる。

 『九評』と脱党という、人類史上もっとも現実的で、長期的な利益に関わる精神運動は、西側メディアや政府要人の関心を引くものと信じている。見えない所で、各国政府はこの事件の進展を注視しており、真相が分かり、心のわだかまりが解けた時点で、いっそう多くの人々が表舞台に現れ出るものと信じている。わずかに一歩歩み出しただけだとは言え、彼らは人類の未来の英雄なのである。

関連記事
40年以上経った今でも活躍するF-16戦闘機は世界最高の多用途戦闘機の1つとして評価される。将来的には、ステルス機との対戦が課題となるがF-35やF-22戦闘機にはないF-16ならでは能力を持っている。
航空機の戦闘力を評価する際、速度や武装能力だけでなく、出撃生成率(SGR: Sortie Generation Rate)が重要な指標となる。SGRは航空機の運用効率を示し、高いSGRを持つ機体は、より頻繁な出撃と優れたパイロット訓練を可能にするため、総合的な戦闘力を大きく向上させる。
ナバロ氏は2016年よりアメリカと中国の関係に深く影響を与えてきました。トランプ氏はナバロ氏を貿易顧問に任命し、保護主義を強化した。ナバロ氏の著書『デス・バイ・チャイナ』は、トランプ政権の貿易政策の指針とされている。
中国は武器輸出を通じて地政学的影響力を拡大しているが、米国は、ウクライナへの武器輸出阻止や先端技術のアクセス制限を通じ、中国の軍需産業に圧力をかけている。世界の武器市場における競争は一層激化している。圧倒的な首位を維持する米国と、追い上げを図る中国。その行方を探る。
最近の中国共産党内での権力闘争が激化し、劉源が中央に絶望的な上書を送った。習近平への信頼が揺らぐ中、経済危機や政治的不安が拡大し、台湾問題への取り組みも失敗に終わる可能性が指摘されている。劉源は改革を提案し、党と国家の未来に警鐘を鳴らしている。