衝突のピーク、崩壊寸前の中共が迎えた7月1日
【大紀元日本7月2日】北の旱魃と南の冠水、絶えない災害に見舞われた中国の今夏、中国共産党は、頻発する大規模の民衆と政府との衝突、日増しに高まる官民の対立の中、84年目の誕生日を迎えた。
今年、中国国内で民衆と政府間の衝突は頻発、且つ広範囲にわたり波及し、過去に見ない大規模の衝突であった。当局は大量の警察を出動し、事態を鎮める対応をとっているが、根本的な解決にならず、民衆は恨みを更に積もらせた。中国社会全体はすでに不調和な時代に入り、社会問題及び社会の対立は激化された段階にあると、専門家に指摘され、警告を出された。
衝突は一触即発
今年に入り、中国各地で暴力衝突事件が多発した。6月にはメディアで報道されただけでも6件あった。
6月14日、広東省東莞塘厦鎮でタクシー運転者の群集と数百名の警察と衝突。3人が死亡、20数人が怪我をし、20数人が逮捕された。100台あまりのタクシーは警察により叩き潰された。
6月18日、淅江省慈渓市横河鎮の農民は、農地を国営発電所の建設地として提出することを拒否したため、政府関係者に雇われた数百人に襲撃され、農民は6人が死亡、約百人が重傷を負った。22日、数千人の民衆は地元の行政機関所在地のオフィスを焼き払った。23日、慈渓市は数千人の警察を出動させ、民衆を鎮圧した。
6月19日、広東省中山市にある工場で働く貴州籍工員らが賃金問題で、工場側と衝突した。警察官は2人の工員を殴り殺した。6月21日、数千人の工員が派出所へ出かけ、再び衝突が起きた。400人あまりの警察官が出動した。
6月19日、甘粛省張掖市三村の村民らは用水路を守るために、二百人あまりの身分不明者に襲撃され、棍棒や鉄のシャベルなどに殴られ、1人が死亡、20数人が怪我をした。
6月20日、甘粛省白銀市白銀公司の西北銅加工工場は、数百人の工員が未払い賃金を求めるために、景銀道路を7日間封鎖し陣取った。
6月26日、安徽省池州市で、交通事故が発端で一万人以上の民衆が巻き込んだ暴動事件に発展した。警察の車が焼かれ、派出所が壊された。警察官が700人あまりが出動し、多くの民衆が逮捕された。
個人事件から集団事件に、小さな摩擦から大きな暴動に発展
多くの集団暴動事件は個人事件から発展したもので、6月26日、安徽省池州市で起きた事件が典型的な例である。
事の発端は、6月26日の午後、池州市私立仁和医院のオーナーの車が1人の中学生をはね、言い争いになり、乗車していた人降りて中学生を殴った。側にいたバイク・タクシー運転手ら市民が車に乗っている病院オーナーの不当なやり方に文句をつけ、言い合いになった。病院オーナーは1人を殺しても、せいぜい30万元なのだと言い、手先に運転手らをやつけるように指示した。バイク・タクシーの運転手は何人かがナイフで切りつけられ、重傷となった。しかし、公安の者は加害者である病院オーナーを保護したことで、市民らの不満を引き起こした。約一万人の市民が派出所を囲んだ。警察車両が3台焼かれ、派出所と病院は暴徒により叩き壊され、対立は2時間も及んだ。さらに、病院オーナーが共同経営するスーパーも略奪された。
6月26日夜、外車BMWに乗っている者が住民から、ヘッドライトをアップしないようにと言われたことに対して腹が立ち、住民を殴った。加害者は、「警察が来ても、警察の前で君にビンタを食らわすのだ。しかも、私に謝るようにさせるのだ。父親が警察局局長だからだ。君の家を売り払っても私の車を弁償できないのだ」と言い放った。その後、警察が来て、本当に被害者を加害者に謝らせた。この行動が住民らの憤りを買い、数百人が集まった。
官民対立が激化
政府官員の腐敗、国民を無視して私利私益に走ること、住民に対して強制的に住宅を立ち退きさせること、弁償に対する不公平さ、賃金の未払い、無実の罪を着せられるなどのことにより、民衆と腐敗役人の対立感情が高まり、集団抗議が次々と起きている。執行が不公正であったり、収賄して法をまげたり、利権にしがみ付いたりすることの数々が大規模の衝突を引き起こす原因となっている。官民の対立は警察の処理が不当であることから、警察と民衆の衝突に発展することも多々あるのだ。
6月28日、北京市北皋村の東西を横断する道路で起きた事件を例としてあげる。安徽省から叔母を訪ねた男の子蘇仁杰氏は市場へ行く途中に原動機付き三輪車にひかれた。子供の叔母と家族が運転手に対して、病院へ運ぶように要求したが、運転手に断られたため、警察に通報した。現場に来た警察官は「君らみたいな、よそから来た子供が車にはねられるのは、まるで犬がはねられたようなものだ」と言い放った。この言葉が周りの民衆の怒りを買い、数百人が警察官を放さないまま現場を囲み、7時間も対峙した。結局、南皋派出所の警察官が救急車を呼び、男の子を首都小児科研究所付属児童病院へ運んだ。
貧富の差が甚だしい、利益集団は非難の的
利益を追求する集団の出現は中国社会の二極分化を加速し、貧富の差が最高となった。中国国家統計局が発表した最新資料によれば、貧富の差を示すギニ係数における中国の数値は0.4であるのに対して、現在はそれを超え、既に0.465であること示した。
都市に住む住民の収入の差、農民及び都市住民の収入の差は共に増大している。成金と貧民の差、賃金取得の難易度が住民らの心理のバランスをさらに崩し、社会的衝突の危機に瀕させているのだ。
中共が55年の全体主義統治の下、中共は徹底的な利益集団になり、役人同士がかばい合い、役人と警察が結託し、役人と企業が結託し、最終的な被害者が国民であることにたどり着くのだ。
米国の経済学者・鄭竹園博士がラジオ自由アジア放送局のインタビューで、中国国内でビジネスを発展させ、財を築きたい者は、権力とかなりよい関係がなければうまく行かないと話し、権力を利用して素早く財を築いてのし上がった成金集団は国家権利及び関係に基づいたものであると示した。この種の特権階級は国家を代表するものである以上、国家の保護を受けるのだ。言い換えれば、保護を行う国家または政府が、国民と対立しているものであるから、国民のことを考えることなどはしないのだと指摘した。
中共の問題転移に警戒すべき
中国民主運動海外連盟会主席・魏京生氏はチェコ・ブラコ国際研究討論会で、「中共が独裁統治を維持するため、また、国内の政治、経済危機問題を転移するために、代償を惜しまず台湾に対して開戦する可能性が大とし、五十年代(毛沢東時代)に起きた朝鮮戦争と七十年代(_deng_小平時代)のベトナム戦争が先例である」と指摘し、各界の注目を集め、賛同を得ている。
中国社会は火薬庫であり、爆発するのは時間の問題であると言われている。中国観察者は、海外で問題を引き起こし、国内の問題を隠すのは中共の一貫的なやり方であると指摘。今年に入ってから、中国が台湾に対して発表した「反国家分裂法」及び反日感情を煽動したことが、中国国内の社会問題を転移し、人の目をくらます中共の常套手段であると話し、国際社会がこのことに関心を寄せ、警戒すべきだと警告した。