シドニーの難民キャンプで発生した中国人集団自殺の真相
【大紀元日本6月21日】6月18日午後2時ごろ、豪州シドニーのヴィラウッド難民留置センターで発生した中国人集団自殺事件で、自殺者を含めて関係者34人が署名した声明文が公開され、その原因が明らかにされた。16日付の声明文は、「ヴィラウッド難民拘留センター」で中国人難民が経験した出来事を公開し、「中豪両政府の経済的利害の犠牲者になるかもしれない」という中国人難民者たちの絶望的な心境を語っている。署名者の一部は二日後に、集団自殺を決行した。
声明文によると、中国人34人は難民拘留センターに突然現れた中国共産党の幹部と面会した後、中国政府による重要決定と要求であると豪州移民局から伝えられ、抑留者らは16日間にわたり独房に隔離監禁されるようになったという。さらに彼らは、手紙やFAXを使い、弁護士や人権団体など外部に救援を求めることはできないと告げられた。そのため、外部との連絡を一切断ち切られた抑留者らは「絶望的な境地に追い込まれた」という。
声明文はまた、5月31日に抑留者らは突然独房から難民キャンプの宿地に戻されたことに対しての疑問を述べ、「我々は、中豪両国政府の経済的利害の犠牲者になるかもしれない。その現実が怖い、中国に送還され、残酷な迫害を受けることに、誰もが恐怖を覚え、身が震えた」と苦しい心境を語っている。
声明文の最後には「豪州は民主国家であることを信じたい」と記され、「中国に送還されるのを想像しただけでも恐ろしい。中国での家族の安全も守られていないのが現状である。すべての豪州移民局に裏切られた政治保護申請者らが、国際社会に対して正義の救援を心待ちにしている」と助けを求めている。
声明文は、英語で書かれており(写真:その一、その二、その三、その四)、
以下は日本語訳の原文。
今回の事件に関心をお持ちの皆さんへ:
私たちは、オーストラリア・シドニーのヴィラウッド難民キャンプの中国人抑留者である、最近ここで発生した重要なことを人々に伝えるために、この文書を作成した。
5月13日、4人の中国政府官僚(男性3人、女性1人)が突然難民拘留センターに現れた。中国政府に派遣されてきたという、約40人の難民拘留者を尋問し、そのときの一部終始は、すべて録音された。
私たちは、名前や生年月日、中国での住所、中国およびオーストラリアでの職業、滞在期間、抑留期間と政治保護を申請しているかどうかなどについて、事細かに聞かれた。最後に、中国語または英語で、書類を書くことを要求された。
実際には、尋問する前に、この4人の中国官僚は抑留者らに関して、家族状況と保護ビザを申請していることを含めて、すべての情報を把握していた。
中国政府官僚にこれらの詳細情報を提供したのは、豪州移民局である。私たちの分析では、移民局は私たちを中国政府に売ったのである
中国政府官僚による尋問の終了後、私たちは即座に隔離監禁された。場所はマニングという施設である。
豪州移民局の官僚ジャック・マ氏とミッシェル・キャンベル氏らは、マニング施設に現れ、中国人難民を隔離監禁する理由は、中国政府による重要決定であり要求であると説明した。同時に、私たちは手紙やFAXを使って、いかなる外部人権団体や弁護士などの助けを求めることはできないと告げられた。
私たちは、社会との連絡を一切断ち切られ、絶望的な境地に追い込まれた。
5月31日に隔離施設から難民キャンプの宿地に戻された。この件は謎のまま終結するように見えた。
でも、疑問は心にずっと残っている。我々は、豪州政府に政治保護を求めている身である、豪州移民局が、中国政府にこの問題の処理を委ねるという行動は、何を意味するであろう。豪州政府が国連で署名した難民条例では、この行動は明らかに重大な違反である。
我々は、中豪両国政府の経済的利害の犠牲者になるかもしれない。その現実が恐ろしい。中国に送還され残酷な迫害を受けることに、誰もが恐怖を覚え、身が震えた。
ここで、私たちは、各界の方々と団体・機関に正義の支持を求める。団体保護ビザの取得にご声援をいただきたい。中国に送還されるのを想像すると恐怖でいっぱいになる。中国での家族の安全も、守られていないのが現状である。すべての豪州移民部に裏切られた政治保護申請者らが、国際社会の正義の救援を心待ちにしている。
豪州は民主国家であることを信じたい。言論の自由は憲法に与えられた権利である。しかし、わたしたちは、豪州移民局により言論の自由が取り上げられた。移民局の一連の行動は、テロリズムに相当すると認識される。
以上、提供した情報は、すべて事実であるを誓う。わたしたちの自分の権利を守るための奮闘に、ぜひご支持とご援助をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
ヴィラウッド難民キャンプの華人難民被拘留者と政治保護を求めるものより