中国国家安全局員が明かす、中共の人権侵害

【大紀元日本6月11日】この記事は大紀元によるカク(赤+おおざと)鳳軍氏との独占インタビューを元にしたものである。(オーストラリア、メルボルン-James Burke)

先日亡命申請し、メルボルンに潜伏している元国家安全局職員のカク鳳軍氏(32)は、中国で広範囲に行われている人権侵害や法輪功迫害、そしてオーストラリアで暗躍する中国のスパイなどについての情報を公開した。

カク氏は今年2月、オーストラリアを周遊していた観光グループを離れて亡命申請したが、家族の身の安全を考えてそれを公表することはなかった。しかし、先日オーストラリアで亡命申請した中国外務省職員・陳用林氏(37)の勇気や、共産党の歴史を暴いた「九評共産党(共産党に関する九つの論評)」に啓発され、政治亡命を申請中であることを明らかにした。彼は6月6日の大紀元とのインタビューで、彼が天津市にある「610オフィス」(法輪功取締り本部)に所属していたことを明らかにした。

「610オフィス」とは、中国で法輪功やその他の信仰団体に対する迫害を推進し、監督するために設立された機関である。カク氏によると、「元々610オフィスは法輪功迫害のためだったが、2004年4月以降、政府が“カルト”と分類した他の宗教団体も含めるようになった。このオフィスは法輪功の他に14の宗教団体、そして14のいわゆる『危険な』気功団体を迫害している。」

なぜ中国を離れて、オーストラリアに亡命申請したのかという質問に対してカク氏は、「政府が法輪功やその他の信仰団体に対して行ってきたことに耐えられなくなった。私はやりたくなかった。」と答えた。カク氏は法輪功愛好者たちが拷問されているのを目撃したと述べた。更にカク氏は、「陳用林氏は中国外務省職員として公に、中国で反抗分子と指定された人たち、例えば法輪功や民主運動家たちに対する監視と嫌がらせが彼の職務であったこと、そしてオーストラリアにはたくさんのスパイが存在することなどを明らかにした。私も警察官として、黙っているわけにはいかない。」と続けた。

「私は1994年に警察官になった。当時、私は自分の職業が好きだったが、2000年に国家安全局に属する「610オフィス」へ異動が決まり、事態が一変した。そこでの職務は、私がやりたい事ではなかった。」

「2000年10月、コードネーム『103』という指令が出され、70人以上の法輪功愛好者が逮捕された。その中の一人、孫緹という女性は、逮捕された中でも一番の要注意人物と指定された。」

拷問

カク氏は、孫緹が拷問されているのを目撃した。「ある日、私は女性警察官と一緒に南開警察署へ向かうよう指示を受けた。そこでは、610オフィスの警察官が約50センチの金属棒を手に持って、孫緹を尋問していた。私と一緒にいた女性警察官は、孫緹の背中が青あざだらけになっており、20センチ以上の傷が2つもあったと言った。」

「孫緹には14歳になる娘がいた。私から見ると、孫緹はとても犯罪者には見えなかった。私は孫緹を殴ることに対して反感を覚え、それから警察官という仕事に対する考え方も変わった。私ともう一人の警察官は、孫緹のために1ヶ月も薬を塗ってあげた。610オフィスの所長は何度も、この事を外へ漏らさないようにと私に告げた。」

「孫緹は法輪功のことを話してくれた。彼女の話から、法輪功愛好者たちは、610オフィスが言うような犯罪者ではないということを確信した。」

カク氏の証言が正しいとすれば、6月6日に発表された駐オーストラリア中国大使・傅えい女史のコメントと矛盾する。傅えい女史は、現代の中国は1970年代の時と変わっており、中国の人権問題については多くの人が誤解している、と述べている。

カク氏は更に、ほとんどの労働教養所で広範囲に拷問が行われていることにも触れた。全国範囲での労働教養所の数は把握できないが、天津市だけでも、7つはあると述べた。

「労働教養所では人権などは全く無視される。収容されている人々は、早朝6時から夜9時まで、ダンボール作りのような作業をさせられる。賃金は全く支払われない。」

カク氏によると、法輪功愛好者たちはまず洗脳センターに送られ、そこで転向しなければ労働教養所に送られ、最長で3年間収容される。そこでも信仰を放棄しなければ、再度洗脳センターへ送還され、それでも転向しなければ、また2度目の労働教養所送りとなる。

中国で迫害に加担している人たちの中には、カク氏や陳氏のように人権を思いやり、無実の人を迫害するやり方に反感を持っている人がいるのかという質問に対してカク氏は、「私と同意見の人はたくさんいると思う。ただ、彼らは自分の意見を表明することができないだけだ。 彼らはやりたくないのに、迫害に加担しているのだと思う」と答えた。

オーストラリアで1000人以上の中国人スパイが暗躍しているとする陳用林氏の証言にも、決して驚かないと述べた。「この数字は本当だと思う。また、中国のスパイは領事館や大使館だけにいるのではなく、ビジネスやその他の中国系団体にまで潜んでいるはずだ。」

カク氏によると、中国のスパイが潜入してくる方法としては、投資家、技術者などを装い、彼らの多くは国家安全局、もしくは軍隊から派遣されている。これらのスパイはオーストラリアだけでなく、世界中いたるところに存在するという。

オーストラリア滞在中、カク氏は「九評共産党(共産党についての九つの論評)」を読んで、平静ではいられなくなったという。「この冊子は中国の影の部分を余すところなく暴き出している。私は仕事上、それらのダークな話をよく知っており、それが全て真実であることもよく分かっている。そして、私が知っている全てのことを世の人々に知らせたい、と強く決心したが、私の家族が中国にいるため、それがなかなかできなかった。」

「九評共産党」は中国国内でも徐々に広まりつつあり、既に2百万人以上の人々を脱・共産党へと導いている。

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