過去30年にわたり、西側は中国共産党(中共)による世界規模のスパイ活動や浸透、影響力工作に関する記録と分析の蓄積を大きく進めてきた。イメージ図。(Getty Images)

分析 中共はスパイ的手法で国家を統治 西側はいかに対応すべきか

中国共産党(中共)の情報活動は、単なる諜報という枠をはるかに超え国家統治と一体化している。官民を横断するネットワークと影響力工作の実態を整理し、西側諸国に求められる包括的な対抗戦略を分析する。

過去30年にわたり、西側は中共の世界的なスパイ活動、浸透、影響力工作に関する記録・分析の分野で著しい進展を遂げてきた。

初期の研究や分析文献は、中共による世界規模の諜報・スパイ活動が重大かつ拡大する脅威である点に主に焦点を当て、その行動の一定のパターンを整理するにとどまっていた。しかし近年になり、「いかなる政治・制度体制が、このような大規模かつ広範な浸透と影響力工作を生み出しているのか」という根本的な問いが提起されるようになった。研究は次第に、その背後にある主体、すなわち中共そのものへと焦点を移しつつある。

▶ 続きを読む
関連記事
米政府が中国AIモデルの「蒸留」疑惑を調査する。技術窃取を確認すれば制裁も検討し、9月の米中AI協議でも主要な争点となる見通しだ
FRBの元上級顧問ジョン・ハロルド・ロジャースが、中共の情報関係者に機密情報を提供した問題をめぐり、連邦捜査官に虚偽の供述をしたとして禁錮38か月を言い渡した
カナダ連邦政府に勤務していた中国系の元科学者が、政府文書2千件以上を複製し、中共側の機関に渡した疑いで起訴された。CSISは過去に少なくとも3回、当局に警告していた
台湾の裁判官は、中共スパイ活動が「高価値目標」から日常情報へと拡大し、SNSを通じたネットワーク型浸透や法的グレーな手法へ進化していると警告した
米バイオ企業が中国勢の「ファストフォロワー薬」を警戒し、初期データの開示を絞る動きが広がっている。資金調達より機密保護を優先し、学会発表やVC向け説明も抑制。対中投資規制の議論も加速し、米中バイオ覇権争いが新局面を迎えている