2026年6月9日の米国議会議事堂(Kilroy/The Epoch Times)

米上院委員会 強制臓器収奪に制裁を科す法案を可決

超党派法案は、中国共産党政権が透明性ある説明を怠っているとして、米国による調査を求めている。

 

強制臓器収奪の実行者に制裁を科す法案が6月17日、上院外交委員会を通過した。

「法輪功および強制臓器収奪被害者保護法」は、中国における強制臓器収奪に故意にかつ直接的に関与・幇助したと認定された外国人のリストを米政府に作成するよう命じるものだ。

リスト掲載者は、米国の個人・法人との取引を禁じられ、米国内の資産を凍結される。また、米国への入国を禁止されるほか、現行のビザが無効化され、移民上の恩典の付与も対象外となる。

同法案は今年3月、テッド・クルーズ上院議員(共和党、テキサス州)とジェフ・マークリー上院議員(民主党、オレゴン州)が共同提出し、その後アダム・シフ上院議員(民主党、カリフォルニア州)とトッド・ヤング上院議員(共和党、インディアナ州)が賛同に加わった。同法案の下院版は2025年5月に可決済みだ。

マークリー議員は委員会採決後、記者団に対し「この恐ろしい行為について世界的な認知を高めていきたい」と語った。

委員会の会合でマークリー議員は、自身が主催した最近の議会公聴会に触れ、証人たちが迫害されたグループの被拘禁者が「日々姿を消していく」様子を目撃したと証言したことを紹介した。

「人々が臓器目的で殺され続けるというのは、地球上で最も凄惨な人権侵害の一つだ」と述べた。

議員らは6月15日に法案を修正し、公的・民間機関が表明してきた懸念の継続性と、中国当局の情報開示が依然として欠如しているという現状を詳述した条項を追加した。

法案は2023年の国務省国際宗教の自由報告書を引用しており、宗教団体の構成員、特に法輪功学習者やウイグル族が被害者にされる恐れを指摘している。またニューヨーク市弁護士協会の報告書にふれ「中国が良心の囚人に対する強制臓器収奪を継続しているという十分な証拠がある」と結論付けている。

一方で、中国共産党(中共)政権はこの問題に対し「完全かつ信頼性があり独立検証可能な回答」を提供しておらず、米当局も未だ正式な評価を公表していないと法案は指摘する。

そのうえで、法輪功学習者に関する事案を含む調査の実施を米政府に求め「違法・強制的・非自発的、あるいは不透明な臓器摘出・移植行為」を非難するよう求めている。

また、国務長官に対し、保健福祉長官、国立衛生研究所長、情報コミュニティの関係責任者と協議のうえ、中国の臓器移植政策・実態に関する報告書を提出するよう命じている。

報告書では、中共政府が組織的な強制臓器収奪を行っているか否かの正式な認定のほか、法輪功学習者や良心の囚人・その他の被害者に関する臓器移植政策の概要が示される。

その他の記載事項として、年別の臓器移植件数の既知・推計値、自発的提供に関するデータ、臓器調達の実態とそのタイムラインの妥当性評価、そして過去10年間に中国の臓器移植研究を支援した米国の助成金リストが含まれる。

米当局が中国での強制臓器収奪を認定した場合には、当該行為が残虐行為に該当するか否かについても判断を下すとする条項が、6月版の法案に盛り込まれている。

2019年、ロンドンの独立機関「中国法廷」は、国家が関与する強制臓器収奪の主たる標的が法輪功であると認定した。法輪功(法輪大法)は、真・善・忍の原則を基盤とする修煉法であり、1990年代後半に中国共産党政権が弾圧に乗り出した当時、推定7千万〜1億人が修煉していたとされる。

近年では、ウイグル族、家庭教会、その他の迫害された少数民族も、当局による強制臓器収奪の標的とされている。

関連記事
米上院は28日、中国での強制臓器摘出に関与した個人を対象とする法案を可決。今後、下院に送られ、承認を求める。成立すれば、中国で、事情を知りながら強制臓器摘出に直接関与した、またはそれを助けた外国人に制裁を科すものとなる
米議会公聴会で法輪功の広報担当者が証言。中国共産党が米国内で展開する暴力、脅迫、世論工作などの国境を越えた弾圧を告発し、その手口はやがて他の集団や米国の主権にも向けられる危険な常套手段であると警告した
習近平訪米を機に、中国で不当拘束されている政治犯の家族らが米政府へ釈放の働きかけを求めている。信仰や言論の自由を理由に引き裂かれた家族の苦境と、風化にあらがい希望を繋ぐ支援者らの声を追った国際人権レポート
第81回国連総会の開幕に合わせ、NYで法輪功学習者が集会を開催。中国国内での長期にわたる迫害の実態や、海外にまで及ぶ国境を越えた弾圧の停止を求め、穏やかな煉功とともに国際社会へ訴えかけた
9月20日に大阪で法輪功学習者による弾圧停止を求めるパレードが開催。国内外の市民から共感や支援の声が上がったほか、全国各地の地方・国会議員からも中国共産党による人権侵害を非難するメッセージが寄せられた