2026年3月24日、カリフォルニア州シルマーにある送電塔。米国は、人工知能、データセンター、人口増加に伴う電力需要の高まりに対応するために必要な高電圧送電容量のごく一部しか建設していない(Justin Sullivan/Getty Images)

アメリカの電力網再構築を阻む入手困難な「ある部品」

電力需要の急増に伴い、米国は老朽化した送電網を再構築するという1兆ドル規模の競争に直面している。しかし、電力会社や政策立案者が近代化に向けた資金を投じている一方で、決定的なボトルネックが浮上している。それは、アップグレードのプロセスを停滞させている数年に及ぶ「変圧器」の不足だ。

米国の電力網インフラは、場所によって40年から100年前の代物である。なかには1800年代後半にまで遡る箇所もある。最近の推計によると、米国の電気インフラを近代化・拡張するには、2030年までに1.4兆ドル、2035年までには3兆ドル以上の資金が必要になるとされている。

一方で、実際に新設されている送電設備は、必要量のわずか一部にとどまっている。その結果、たとえ近代化に向けた予算が十分に確保されていても、資材供給の遅れが足かせとなり、計画通りに進まないケースが増えている。特に、送電網の容量拡大や新たな発電所の接続に欠かせない「変圧器」の不足は深刻だ。

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