中国共産党中央軍事委員会副主席、張又侠の写真(NTD スクリーンショット)

中共軍トップ層一掃 海外専門家が指摘する「大粛清」後の衝撃波

中国共産党(中共)軍は世界最大の規模を誇る軍隊だが、この巨大組織の最高幹部たちが、わずか3年の間に壊滅的な大粛清に遭った。特に、軍事委員会で序列1位の副主席である張又侠、および中央軍事委員会統合参謀部参謀長の劉振立が突如として失脚したことは、国内外に衝撃を与え、海外メディアや政治・軍事専門家たちの間で多くの議論を呼んでいる。

フランスの紙面『ル・モンド』(1月31日付)は、中共軍内部で13年間にわたり継続されてきた、いわゆる「反腐敗」運動の末に、再び中央軍事委員会の張又侠や劉振立が反腐敗の名目で拘束されたことに対し、大きな驚きを表明した。記事は、特に今期の中央軍事委員会のほぼ全ての最高幹部が直近3年で「粛清」された状況について、「いかなる軍事アナリストも困惑を隠せない」と伝えている。

同紙は、2025年だけで98.3万人の中国官員が規律処分を受けており、これが統計公表以来の最高記録を更新したことに言及した。外部の人間は、絶え間なく続く中国官員の失脚に「もはや慣れっこ」になっているはずだという。しかし、そうした状況下でも張又侠の失脚は「地震に匹敵する衝撃」であった。長年CIAで中国事務分析を担当してきたジョージタウン大学のデニス・ワイルダー教授も、「これは習近平政権発足以来、中国政治において最も衝撃的な出来事だ」と述べている。

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中国共産党軍の有力幹部で、中央軍事委員会副主席を務めていた張又俠が拘束されたと伝えられて以降、その所在はいまも明らかになっていない。こうした中、同じく失脚した何衛東の死亡をめぐり、新たな説が相次いで浮上しており、中国共産党上層部で進む軍内粛清の実態に改めて注目が集まっている
オーストラリア亡命の袁紅冰氏が暴露。中国軍ナンバー2の張又侠は習近平の軍高官任命権に直接挑戦し失脚。習家軍の東南派・西北派対立が発端で、張は劉振立と連名で推薦名簿提出、軍委会で公然批判。習は2か月密謀の末、逮捕作戦成功
習近平による張又侠らの軍事粛清に対し、トランプ大統領は「中国のボスは習氏一人」と述べた。軍の連絡窓口喪失による不安定化や、習がイエスマンに囲まれることで台湾情勢の誤算を招くリスクが懸念される
中共軍トップの張又侠の親族が北京から強制移転させられたとの情報が浮上。軍報が異例の批判記事を再掲載し忠誠を強いている現状は、軍内部の深刻な動揺と、張氏の処遇を巡る権力闘争の激化を強く示唆している