240 万人を対象とした大規模研究によると、どのような量のアルコールを飲んでも認知症リスクが上昇し、脳の健康にとって安全といえる飲酒レベルは見つかっていない可能性が示されています。(Inna Vlasova/Shutterstock)

少しの飲酒も安全とは言えない? 研究が示す認知症リスク

とある大規模研究で、どの程度のアルコール量であっても認知症リスクが高まる可能性があることが明らかになりました。認知症は、記憶・思考・機能に影響する脳の疾患です。

240 万人のデータを用いた今回の研究では、週にワインを 1 杯飲む程度でもリスクが上昇する可能性があり、脳の健康にとって「安全」と言える飲酒レベルは現時点では見つかっていないと指摘しています。

この最新研究は「BMJ Evidence-Based Medicine」に掲載され、観察研究と遺伝学研究のデータを組み合わせ、アルコール摂取量が増えるほど認知症リスクが高まることを示しました。

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