ヴァルテル・ロンゴ氏は、健康と長寿研究の専門家です。彼は長寿の研究を続けると同時に、自らも実践し、「120歳まで生きられる」と希望を語っています。
「私は言行一致を大切にしています。この目標を達成できるかどうかは分かりませんが、試してみること自体に価値があると考えています」これは、ロンゴ氏がCNBCの取材に応じた際のコメントです。
ロンゴ氏は20年前、イタリアの故郷に戻り、サルデーニャ島など百寿者(100歳を超える人)が多く暮らす地域で、長寿の秘訣を研究してきました。現在は、イタリア・ミラノのIFOM分子腫瘍研究所で「長寿とがん研究ラボ」の主任を務め、また南カリフォルニア大学ロサンゼルス校(USC)のレナード・ディ老年医学研究所の所長でもあります。ロンゴ氏は、患者に対して次の4つの生活習慣を推奨しており、自らも実践しています。
1.植物性食品を多く食べる
ロンゴ氏の食生活の基本は、「植物中心の食事」です。野菜を多く摂り、果物は控えめにし、木の実、豆類、穀類を積極的に取り入れています。魚は週に3〜4回程度食べるようにしています。
「赤身肉や白身肉は食べず、卵は週に2〜3個までにしています。チーズや動物性の加工食品もできるだけ控えます」と彼は話しています。
2.毎日12時間の断食を行う
ロンゴ氏は「毎日12時間の断食」を推奨しています。例えば、朝8時に朝食をとった場合は夜8時までに食事を終える、あるいは朝7時に食べ始めて夜7時には終えるといったリズムです。この時間帯以外は食べ物を口にせず、内臓を休ませることが大切だとしています。
3.毎日散歩し、毎週150分運動する
「週に合計150分(約2時間30分)の運動」は、全体的な健康に良い影響を与えることが多くの研究で分かっています。そのうち少なくとも50分は早歩きなどの有酸素運動にあて、挑戦的な身体トレーニングを加えることで、さらに健康効果を高められます。「私はそれに加えて、毎日1時間の散歩と階段の上り下りを習慣にしています」とロンゴ氏は話しました。
4.良質な睡眠と健やかな心を保つ
ロンゴ氏は、「よく眠ることは非常に重要です。また、前向きで安定した心理状態を保つことも長寿には欠かせません」と強調しています。
幸福学の専門家アーサー・C・ブルックス氏も、幸福を支える4つの柱として「信仰」「家庭」「友人」「有意義な仕事」を挙げています。これらの要素はどれか一つだけで幸福を生み出すものではなく、互いに補い合い、共に存在することで、心身の健康と長寿を支えているのです。
(翻訳編集 吉田恭三)
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