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注意! 朝食に食べるシリアルがますます甘くて栄養がない

シリアルに牛乳をかけて朝食を取る人は多く、特にアメリカなどの西洋諸国では一般的な朝食スタイルとなっています。しかし最近の研究によると、アメリカで販売されているシリアルはここ10年以上にわたってますます甘くなり、栄養価が低下しており、健康への影響が懸念されています。シリアルを日常的に食べている方は要注意です。

この研究は、ミネソタ大学などの研究機関が共同で実施したもので、2010年から2023年にアメリカで販売された即席シリアルの栄養成分を調査しました。対象は5歳から12歳の子どもたち向けの製品です。

研究者たちは、再パッケージやブランド名変更を含む1,200種類のシリアルを調査しました。彼らはデータベースに基づいて各製品の栄養成分を分析し、長期にわたってトレンドを追跡しました。

その結果、調査期間中に新たに発売されたシリアルにおいて、懸念される栄養成分の変化が見られました。具体的には、脂肪・ナトリウム・糖分が大きく増加し、逆にタンパク質と食物繊維は減少していたのです。

たとえば、1食分に含まれる脂肪は1.13gから1.51gに増加し、増加率は33.6%。糖分は10.28gから11.40gに増え、10.9%の増加。ナトリウムも156mgから206.1mgへと増加し、増加率は32.1%に上りました。一方、タンパク質と食物繊維の含有量は減少傾向にありました。

シリアルは、まるで甘くて塩味のあるお菓子のようになってきていると言えるでしょう。平均的に、1食分の糖分は子どもの1日の推奨摂取量の45%を超えています。

研究者たちは報告書の中で、「こうした傾向は、製品開発において栄養価よりも味を優先している可能性を示しており、それが子どもの肥満や将来的な心血管疾患リスクの要因になっている可能性があります」と指摘しています。

市販されているシリアル(Shutterstock)

なお、この研究では新たに発売・再発売されたシリアルのみを調査対象としており、子どもが他の時間帯に食べるスナック類などは含まれていません。しかしながら、この結果は非常に憂慮すべき傾向を示しています。

子どもたちが健康に育つためには、栄養バランスの良い食事が欠かせません。特に朝食は1日の始まりとして大切です。アメリカでは、子どもの肥満率が5人に1人にまで達しており、その割合は今も増加傾向にあります。

アメリカのシリアルメーカーは、製品パッケージに「健康」などの表示をすることがありますが、特別な規制を守る義務はなく、表示が必ずしも実態を反映しているとは限りません。

研究者たちは、「多くの人がシリアルを日常的に食べている現状を考えると、その栄養成分の傾向を把握することは、公共の健康を考える上で非常に重要です」と述べています。

この研究成果は、アメリカ医学会雑誌(JAMA)のウェブサイトに掲載されました。

一般に「健康食品」として認識されているシリアルですが、実際には血圧・血糖・血脂の管理や減量、便秘の改善に役立つとは限りません。では、どのようなシリアルを選べばよいのでしょうか?

台湾の可苡栄養相談センターの栄養士・蔡宜方氏は、シリアルを選ぶ際にはパッケージの栄養成分表示をしっかり確認することを勧めています。糖分は「ゼロ」またはそれに近い量が理想で、塩味のある製品についてはナトリウムの含有量にも注意が必要です。「現代人は一般的にナトリウムを過剰に摂取しているため、できれば無味のものを選ぶのが最も健康的です」と述べています。

陳俊村