ニューヨークで数百名の神韻アーティストがパレードに参加 米国で拡大する中国共産党の弾圧に警鐘
長年にわたり中国共産党(中共)政権の側にとって悩みの種とされてきた神韻芸術団は、7月20日、マンハッタンのチャイナタウンで数千人の法輪功学習者と共にパレードに参加し、北京による信仰への迫害を非難し、アメリカ内で拡大する同政権の影響力について警鐘を鳴らした。
何年にもわたりダンスを通して信念を表現してきた神韻の出演者たちは、現在、中共による広範な弾圧がアメリカ内で自分たちに直接迫っていると述べた。神韻のプリンシパル・ダンサーであるアンジェリア・ワン氏は、パレードへの参加は「私が自分の思いを伝える新しい方法でもあり、信仰の自由を実際に行使する機会でもある」と語った。
現在、中共は法輪功学習者によって創設された神韻を標的としているが、明日には別の集団が標的になる可能性もあるとワン氏や他のアーティストは語る。プリンシパル・ダンサーのピオトル・フアン氏は「アメリカ国内で法輪功学習者への攻撃が組織的に増加し、神韻も標的にされている。以前は迫害は中国だけのものだと思っていたが、今ではその脅威がすぐ身近に感じられる」と述べる。
26年前、中共は真・善・忍の原則を教える平和的な修煉法である法輪功に対する組織的な迫害運動を開始した。
1999年7月20日未明、大勢の法輪功学習者が一斉に逮捕され、良心の囚人たちは拷問、洗脳、さらには臓器収奪の犠牲にもなった。中共は社会全体を法輪功に敵対させようとし、その後、世界各地の学習者たちが声を上げ続けた。
2006年、法輪功学習者たちは中国文明5千年の復興――すなわち共産主義以前の中国――を芸術を通して実現する目的で、ニューヨークで神韻芸術団を創設した。同団体は現在、8つの公演グループを持ち、年間約100万人の観客に公演を届けている。
2007年、中共は約60の芸術団体を海外に派遣し、神韻のメッセージを打ち消そうとしたが大きな失敗に終わった。その後、政権は戦略を変更し、2022年には習近平による計画が内部告発により明らかとなった。これはアメリカ政府、裁判所、メディアを取り込んで世論を操り、神韻や法輪功に反対するようアメリカ人の意識を変えようとするものだった。この計画はここ数年で具体化し、神韻アーティストがスパイ活動や法律戦、プロパガンダ、過去1年で100件近い暴力的脅迫の標的となった。
「神韻にこだわる理由は恐れだ」とレミッシュ氏は言う。「神韻は共産主義以前、現在、そして共産主義を脱した後の中国を世界に示している――これは政権の正当性への脅威だ」
苦しみを止めるために
7月20日の記念日は神韻の出演者たちにとってとても大切である。レミッシュ氏によれば、神韻内部の調査で92人の団員が迫害の直接的被害を受けていた。
その一人、孫弘威氏は6歳の時に中国で警察により家宅捜索を受け、兄とともに小部屋に閉じ込められた。泣き叫ぶ兄弟を後にして母親が連行され、7年間服役したという。孫氏は「その瞬間、頭が真っ白になった。何もできなかった」と回想する。
母親が釈放後も、信仰の放棄を強いられ続けた。警察は書類にサインしなければ孫氏の学業を妨げると脅したため、家族は孫氏を台湾へ避難させ、後にアメリカに渡った。「7月20日は中国の多くの家族の苦しみを止め、その犠牲者を追悼する日だ」と孫氏は語る。
もう一人のプリンシパル・ダンサー、イーサン・グオ氏は、1歳の時に祖父を迫害で失った。中国では毎年7月20日が近づくと「空さえも陰うつに感じた。それは不気味なものだった」と述懐する。
アメリカで拡大する弾圧
アンジェラ・リン氏は神韻の公演を見て育ち、自らも中共の迫害を世界に伝えたいという思いで入団した。中国でいじめに遭ったり、家族を失った友人が多く、こうした弾圧が自由社会にまで広がっている状況に「非常に懸念している」と語る。
「これはアメリカの核心的価値、つまり言論と宗教の自由を攻撃している。私たちは立ち上がり、声をあげねばならない」レミッシュ氏は神韻出演者のパレードは、アメリカの基本的自由を守る行動でもあると述べる。
標的は神韻団員やその家族だけに留まらないという。その脅迫は「法輪功や神韻、抑圧への反対を公然と支持する全ての人」に向けられ、議員や公演する劇場、ホワイトハウス、FBI、国務省も含まれる。
レミッシュ氏は「アメリカ人には共通の脅威が存在する。中国における臓器収奪を止めなければ、知らずに良心の囚人からの臓器を得て、殺人の共犯となってしまうかもしれない」と訴える。「政権がアメリカ社会に入り込み、民主主義の仕組みを思うままに操ろうとしている今こそ、私たちは手を取り合い、自分たちの自由と中国の人々の自由の両方を守るために立ち上がる必要がある。そして、これ以上このような人権侵害が続かないように止めなければならない」と語る。
「神は見守っている」
パレードの見物客からも、法輪功と自由への支持が寄せられた。7月20日にパレードを見たシカゴ在住の中国人、傅帥さんは「神韻のアーティストが海外でも中共から脅かされるのは狂気の沙汰だ」と語った。彼自身も神韻公演を複数回見たことがあると言う。
「中国の中であっても、本来は神韻を弾圧する理由はないと思う。神韻の公演は、真・善・忍という価値観を表現し、同時に中国共産党による法輪功への迫害の現実を伝えている。実際に、自分は西洋の観客が心から感動して大きな拍手を送る様子を目の当たりにした」と語った。
葉さんという姓の男性は、法輪功学習者たちが長年にわたり、一度も欠かさずチャイナタウンで中共による迫害について訴え続けている姿勢を称賛した。
パレードでは、神韻の出演者を含む数百名の法輪功学習者から成る天国楽団(the Divine Land Marching Band)が参加し、座禅などのデモンストレーションや「26年の迫害を終わらせよ」という横断幕も掲げられた。
中国出身の葉氏は、1990年代に法輪功が中国で広く支持を集めていたこと、そして中共による激しい迫害や悪意ある宣伝にもかかわらず、法輪功が根絶されることなく今も続いている様子をこの目で見てきた。
「見てください、26年経っても学習者は増え続け、若い世代も増えている。どれだけ中共が中傷しようと、人々は法輪功が何であるか分かっている」
「神は彼らを見守っている」と結んだ。