梅雨の薬膳レシピ
和風茶葉卵:梅雨の季節に寄り添う思いやり薬膳
梅雨入りとともに、私たちはなんとなく体が重く感じたり、食欲がわかず、疲れやすく、気分が沈みがちになったりします。ときにはイライラしたり、夜もぐっすり眠れないこともあるでしょう。
これは実は、体内に「湿気」がこっそり入り込んで悪さをしているのです。中医学では、脾と胃は五行で「土」に属し、湿気は土と響き合いやすいため、消化器系に入り込みやすく、脾胃の働きを鈍らせ、消化吸収の力を弱めてしまいます。同時に、肝の気の流れも妨げられ、気分がふさぎ、胸が重くなる原因にもなります。肝の気が滞ると、気血の巡りが悪くなり、脾胃の働きがさらに低下して、体内にもっと湿気をため込むようになります。だからこそ、肝と脾のバランスを整えることが大切です。
中医学の言葉に「肝は伸びやかさを好み、脾は温かく養われることを好む」という教えがあります。肝は自由に流れることを好む子どものようで、抑えつけられることに弱く、脾は寒さを嫌うおばあさんのようで、温かく丁寧にいたわることで、食べ物をしっかりエネルギーに変えてくれるのです。
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立冬は肺が弱まり腎が冷えやすい季節。今年は金気が不足し肺の働きが乱れやすいため、五臓の調和が重要です。白菜や豚肉を使った温かい料理で脾と腎を温め、気血の巡りを整えましょう。
秋冬は湿気と乾燥が重なり、脾胃と肺が弱りやすく便秘が増える季節。セロリは気の巡りを促し、エリンギは腸を潤し、牛肉は胃腸を温める食材。三つを組み合わせることで、気血が整い、自然な排便リズムが戻ります。
シソは胃腸を整え、体を温め、風邪や寒さから身を守る力を高めます。特に朝に食べると、体の陽気が自然に立ち上がり、秋冬の風邪予防に効果的。朝食に取り入れたい伝統の養生法です。
中医学の養生は、体を自然界のように調和させる「気候調整」の学問。五行の働きが乱れると病が生じ、整えば健康が戻る。季節と連動した「人体の気候」を理解することで、日々の食と生活に新たな視点が生まれます。