5月5日は「こどもの日」や「端午節」として祝われ、両国の行事は陰陽五行説と深く関連しています(Shutterstock)
五行で祝う端午の節句

端午の節句と五行 家族で育む自然の恵み

5月5日は、日本では「こどもの日」、中国では「端午節」として知られる伝統行事の日です。実はこの日、中日両国で祝われる行事の起源や意味、風習には共通点が多く、さらに古代の自然観である「陰陽五行説」とも深く関係しています。

中国の「端午節」は、戦国時代の詩人・政治家であった屈原(くつげん)の死を悼むことから始まったとされています。川に身を投じた屈原の魂を慰め、遺体を魚から守るために、米を包んだ「粽(ちまき)」を川に投げ入れたことが、その由来といわれています。

この日は旧暦の5月5日、「陽」の数字である「5」が重なることから「重五(ちょうご)」の日とも呼ばれますが、一方で陰陽五行の観点では「九毒日」とされ、陰の気が増して邪気が強まると考えられてきました。そのため、古代中国ではこの日を、災いから身を守るための重要な節目ととらえ、さまざまな厄除けの風習が発展しました。

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