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熱すぎるお風呂が危険? 研究が示すリスクとは

寒い冬に熱いお風呂に入ると、体が温まり、心身共にリラックスする効果が期待できます。しかし、お湯の温度が熱すぎると、健康に悪影響を及ぼす恐れがあり、心血管疾患を誘発し、死に至る場合もあると専門家が警告しています。

イギリス「デイリー・スター」の報道によると、イギリスのバスルーム販売会社Plumbworldが主催した研究では、毎日、熱いお風呂に入ることが肌や髪の毛にダメージを与えてしまい、睡眠を妨げ、深刻な場合には命に関わる事態になる可能性もあると示されています。

研究によると、熱いお湯で洗うと髪や肌の「油分」が奪われ、肌が乾燥しやすくなり、皮むけやかゆみが起こりやすくなると指摘されています。また、髪のツヤが失われ、枝毛や切れ毛の原因になるともいわれています。

「湿疹や乾癬のような症状は、熱いお風呂に入った後に明らかに悪化した」と明記され、高温のお湯は肌に不快感を与え、炎症を悪化させる作用があるためだとされています。

肌や髪だけでなく、極端に熱いお風呂は心臓にも負担をかけることがあります。特に心臓に持病がある人にとっては危険で、入浴中に意識を失い、発見が遅れる恐れもあります。

研究者によると、「熱いお湯に入ると血管が広がり、血流が増えるため、心臓は血液の循環を維持しようとより強く働く必要があります。心臓に持病がある人にとっては、この負担が問題を引き起こす可能性があり、心血管への負担も大きくなる恐れがあります」と指摘しています。

更に、研究者は心血管疾患を抱える患者さんにとって、熱いお風呂に入ることがめまいやふらつきを誘発し、入浴中に転倒やその他の怪我をするリスクを高める可能性があると指摘しました。

また、熱すぎるお風呂は睡眠にも影響を与えます。研究者によると、「最初はリラックスして気持ちよく感じるかもしれませんが、体温が上がりすぎると、睡眠時に必要な体の放熱が妨げられてしまいます」と説明しています。

研究によると、「体は放熱することで寝る時間が近づいたことを知らせますが、寝る前に熱いお風呂に入るとその働きが妨げられ、結果として眠りにつきにくくなります」と指摘されています。

シャワーヘッド(Shutterstock)

また、非常に熱いお風呂は喘息を悪化させたり、肌に火傷を負わせたりする恐れもあります。また、知らないうちに、シャワーヘッドや浴室の隙間に細菌が繁殖しやすい環境ができ、こまめに掃除しなければ、細菌が肺に侵入する可能性があります。

イギリスでは、熱いお風呂によって肌や心臓の病気のリスクにさらされている人が数百万人にのぼるとされています。研究レポートでは、「熱いお風呂は心地よさを与える一方で、肌や心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性がある」と懸念されています。

Plumbworld社バイヤー責任者であるエレノア・ポッター(Eleanor Potter)氏は、「短時間にぬるま湯の入浴であれば、リスクを最小限に抑えられる」と述べました。

湯船に浸かる女性(Shutterstock)

 

熱いお風呂は神経系にも影響を与える

アメリカネットサイト「Healthline」の報道に、お風呂、シャワー、サウナそして大浴場のような熱湯や蒸気を使う環境では、お湯の温度が熱すぎると、体の機能に変化をもたらし、温水療法の効果を相殺されてしまう可能性があると報じました。

別の研究では、熱いお風呂に入ることによって、心拍数が32%増加し、心臓が搬送する血液量も44%増えることがわかりました。

一見すると問題がないように思える温度でも、心拍数や血圧の大きな変化に耐えられない持病がある人にとっては、熱いお風呂がめまいや失神を引き起こす恐れがあります。

心臓や神経系、循環器系に持病がある人が熱すぎるお風呂に入ると、めまいを起こす可能性があります。すぐに涼しい場所へ移動しないと、気を失ったり転倒したりする恐れがあります。その際、浴室内の石けんや蛇口、水なども思わぬケガの原因になる可能性があります。

熱いお風呂の高温は神経系にも影響を与えます。神経を制御する一部の機能に変化をもたらし、その影響で神経系の特定の部分での情報伝達が妨げられ、症状が悪化する可能性があります。

自律神経失調症のある人は、特にお風呂の温度に注意が必要です。自律神経は体温を調整する働きを持っていますが、異常があると体温が急激に変化し、危険を伴う可能性があります。

 

 (翻訳編集 正道 勇)

陳俊村