2018年12月3日、パナマ運河のココリ閘門付近を航行する中国コンテナ船(Luis Acosta/AFP via Getty Images)
2018年12月3日、パナマ運河のココリ閘門付近を航行する中国コンテナ船(Luis Acosta/AFP via Getty Images)

中国企業の港湾運営—パナマ国家損失1550億円超の可能性

パナマ政府は、運河の港湾運営を担う中国企業が不透明な契約のもとで国家利益を損ねた可能性があるとして、調査を進めている。この企業は過去に契約を3度修正しており、その過程が不透明であることから、パナマ政府に少なくとも10億ドル(約1550億円)の損失をもたらしたと指摘されている。

パナマの主要メディア「ラ・プレンサ(LA PRENSA)」によると、香港の「長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)」傘下の中国企業パナマ港湾公司(PPC)は、1997年にパナマ政府の承認を受け、運河の両端に位置するバルボア港とクリストバル港の運営を25年間特許経営する権利を取得した。

契約変更のたびにパナマ側に不利な条件に

パナマ港湾会社は当初、年間2220万ドル(約34億5445万円)の固定料金と収益の10%をパナマ政府に支払う契約を結んでいた。しかし、2005年の契約修正後、固定料金の支払いが撤廃され、代わりにコンテナ1個あたりの処理費が6ドルから9ドルに引き上げられた。また、同社には港湾施設の改善投資が義務付けられた。

その後も契約は計3回修正され、いずれもパナマ港湾会社に有利な内容となった。

2010年、パナマ政府はコンテナ1個あたりの処理費を12ドルに設定し、2013年以降は5年ごとに料金を見直すことを義務付けた。しかし、2024年現在まで料金の調整は一度も行われていない。

ラ・プレンサ紙の報道によると、2010年の12ドルという基準額を消費者物価指数(CPI)に基づき調整していれば、現在の料金は約16ドルになっているはずだという。しかし、実際には12ドルのままであり、その影響でパナマ政府は2010年以降、少なくとも10億ドル(約1550億円)の税収を失ったとされている。

前政権による中国企業優遇、不透明な契約交渉

パナマの前政権は契約条件を何度も変更し、中国企業に有利な条件を与えていた。契約交渉の詳細は非公開とされ、関連資料の多くが「機密情報」に指定されたことで、監査機関による審査が困難な状況になっている。

さらに、パナマ港湾会社は営業利益が損なわれるとして、パナマ政府がクリストバル港周辺で港湾施設の拡張を計画することに強く反対。この動きは、国家の発展計画と企業の利益が対立する事態を引き起こし、議論を呼んでいる。

契約の自動更新で2047年まで運営継続

パナマ港湾会社は1997年に25年間の特許経営権を獲得し、2021年には「自動更新条項」に基づき、さらに25年間の契約延長を実施。その結果、2047年まで運河の主要港の運営権を維持することが決まった。

しかし、パナマのムリーノ大統領は、契約更新の過程が不透明であり、汚職の可能性があると指摘。また、この契約が中共政府が推進する「一帯一路」政策の一環として展開する「債務の罠外交」に該当する可能性があると懸念を示し、監査機関に対してパナマ港湾会社に関する徹底調査を指示した。

今後、パナマ政府の調査が進むことで、中国企業と前政権の不正取引の有無、そして国家利益が損なわれた実態が明らかになる可能性がある。

 

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