2007年8月7日、マイアミのパブリックス・スーパーマーケットにて、薬局の棚に並ぶ抗生物質の瓶。(Joe Raedle/Getty Images)

2050年までに薬剤耐性感染症による死亡者が急増するとの新報告

数十年にわたる医療の進歩を脅かす予測として、新たな世界的研究は、抗生物質耐性感染症が2050年までに3900万人以上の命を奪う可能性があるとし、世界が「ポスト抗生物質時代」に突入する恐れがあることを警告しています。

この報告書は、「抗菌薬耐性」について、その原因、現状、そして将来的な影響を解明するために、様々な国や研究機関が協力して行っている広範な研究活動、Global Research on Antimicrobial Resistance(GRAM)プロジェクトによって発表され、かつて治療可能だった病気が再び致命的になる可能性を示す、差し迫った公衆衛生危機の姿を描いています。

『The Lancet』に掲載され、スイス・ジュネーブで開催された国際保健サミットで発表されたGRAMレポートによれば、抗生物質耐性感染症による死亡者は、2021年の約114万人から2050年には191万人に増加すると予測されています。「直接の結果として死亡する」というのは、耐性菌が介在する明確な因果関係を意味し、他の要因が関与せず、耐性菌が原因で死亡したことを示しています。

▶ 続きを読む
関連記事
腸内細菌が一部の処方薬を別の化合物に変化させる可能性が、最新研究で明らかになった。糖尿病・うつ病・片頭痛などの治療薬127種類を検証した結果とその意味を、わかりやすく解説
CTやMRIで使われる造影剤は、画像を見やすくする一方、薬剤としてのリスクもあります。検査前に確認したい点を紹介します。
子どもの落ち着きのなさや集中力の低下は、ADHDだけが原因とは限りません。睡眠中のいびきや口呼吸、呼吸の乱れによって脳が十分に休めず、ADHDに似た症状が出ることがあります。
穏やかな最期を望んで選ばれる医療援助死。しかし、使用される薬の安全性や効果は十分に検証されておらず、死亡まで長時間かかる例や合併症も報告されています。知られざる実態と、データ不足が招く問題を探ります。
骨や筋肉の減少は、単なる加齢だけで起こるものではありません。運動負荷、栄養、睡眠、ストレスなどを見直すことで、骨折や転倒を防ぐ体づくりにつながります。