欧州ではより健康的なマクドナルドが手に入る、と食品活動家のヴァニ・ハリ氏が最近の上院の会議で述べた。
日常食品に含まれる不安全な添加物への懸念が高まる中、専門家らは公衆衛生を守るために安全基準の再評価を提唱している。
例えば、米国ではマクドナルドのフライドポテトには11種類の成分が含まれているが、イギリスでは3種類のみで、塩は任意である。
ハリ氏はロン・ジョンソン上院議員の「アメリカの健康と栄養:第二の意見」会議でこの違いを強調し、多くの米国の食品が他の西洋諸国で禁止されている化学物質を含んでいることを明らかにした。エポック・タイムズは、米国のマクドナルドのフライドポテトには11種類の成分が含まれているのに対し、英国では3種類の成分しかまれていないことを確認した。
他の国ではリスクとされる食品添加物が、なぜ米国では安全と見なされるのか?
法律の抜け穴が安全でない成分を許容する
「問題は法律にある。業界に安全性データの提出を義務づけるものは何もない」と、ニューヨーク大学グローバル公衆衛生大学院の公衆衛生政策・管理学准教授のジェニファー・ポメランツ氏はエポック・タイムズに語った。
「その結果、企業は自己規制し、成分をFDAや公衆に通知することなくGRAS(一般に安全と認められる)として指定することができる」と彼女は述べた。
彼女の最近の研究は、米国公衆衛生ジャーナルに掲載され、この法律の抜け穴が、米国の食品に安全でない原材料を許容することを明らかにしている。
欧州は、予防的なアプローチをとる傾向があり、有害性の証拠を調べ、国民を保護するのに対し、米国はより企業に優しく、食品供給から安全でない原材料を取り除くための証拠を要求する、と彼女は付け加えた。
例えば、欧州食品安全機関は成長ホルモンや特定の人工着色料などの物質を潜在的な害に基づいて禁止している。対照的に、米国食品医薬品局(FDA)は「一般に安全と認められる(GRAS)」原則に基づき、申請プロセスを通じて食品添加物の評価を行っている。そのため、徹底的な試験なしに市場に出回ることを許可している。
企業は独自の評価に基づいて、物質を一般に安全と認められるとして(GRAS)自己指定することができる状態なのだ。FDAの監視は限られているということで、エポック・タイムズはFDAにコメントを求めた。
パンに使用されているアゾジカルボンアミドのような有害な化学物質は、動物実験では癌との関連が指摘され、いくつかの国で使用が禁止されているが、米国ではGRASの原則により合法である。
「他の国では、この化学物質はヨガマットや靴のゴムに使用されている。この化学物質が加熱されると、発癌性物質に変わることが研究で示されている」とハリ氏は言うのだ。この成分は以前、サブウェイのパンに使用されていたが、ハリ氏が会社に請願して取り除かれた。
「私たちの食品には、真の安全データが独立した科学者、政府、公衆に知られていないまま、数千とは言わないまでも数百の物質が添加されている」と、ポメランツ氏と共に研究を行ったフードコンパス・栄養プロファイリング・システムの研修主任、ダリウシュ・モザファリアン博士は声明で述べた。
食品着色料の消費が500%増加
上院の会議で議論されたもう一つの懸念は、特にアメリカの子供たち向けの商品で、人工食品着色料の消費が大幅に増加していることである。
過去50年間で人工食品着色料の消費は500%増加し、子供向けに販売されている製品の43%にこれらの着色料が含まれているとハリ氏は述べた。これらの着色料は、注意の集中が難しく、落ち着きがなく、衝動的な行動をしやすいといった特徴を持つ神経発達障害の多動性障害やアレルギー反応などの健康問題に関連しており、親たちにとって深刻な懸念を引き起こしている。
ケロッグを事例として、ハリ氏は米国とカナダのシリアルの違いを指摘した。カナダ版のフルーツループスはスイカやニンジンのジュースで自然に着色されているが、米国版には人工着色料と保存料が含まれている。
ケロッグは2018年末までに着色料を除去する計画を発表したが、実行されなかったと彼女は述べ、ネオンカラーのバージョンと色の少ないパステルカラーのバージョンとを対比した。
カリフォルニア州は8月29日に学校食品安全法を可決し、2027年12月31日より、幼稚園から高校までの公立学校で販売される食品に含まれる青色1号、赤色40号、二酸化チタンなどの人工着色料が制限されることになった。
FD&C赤色3号に対する請願に反応して、FDAは赤色3号の安全性を再評価している。さらに、8月2日にFDAは食品添加物の植物油に臭素を結合させた化学物質、臭素化植物油を禁止した。企業は2025年8月2日までにこれを段階的に廃止する必要がある。
FDAと議会ができること
ハリ氏は、消費者、特に子供たちを保護するために、より厳しい規制と成分リストの透明性を求めている。
「食品会社に人工着色料を除去するよう求めることは、子供たちの健康に即座に影響を与えるだろう」とハリさんはエポック・タイムズ紙へのEメールに書いている。「他の国ですでに自然な代替品を使用しているため、それを参考にすることで、例えれば、車輪の再発明は必要ない」と彼女は付け加えた。
ポメランツ氏とモザファリアン氏は、企業がGRASと判断した物質の安全データをFDAに通知し、共有することを義務付けることを含むいくつかの政策提言を行っている。さらに、FDAの影響力を強化するために、議会からの資金増加が必要だとも述べている。
彼らはまた、カフェイン、砂糖、塩などの物質が少量だけでなく、含有レベルが高くても安全であることを確認するために、一般に安全と認められる原則のGRAS成分と食品添加物の厳格な再レビュープロセスを提唱している。
「多くの製品に含まれる現在の食品添加物レベルは安全と認められていないとの認識が広まっている」と、ポメランツ氏は9月25日のFDAの食品化学物質のレビュープロセス改善に関する公聴会で述べ、過剰な食品添加物の使用は深刻な健康リスクを引き起こす可能性があると彼女は述べた。
「FDAと議会の両方が、FDAが安全な食品供給を確保するという使命を果たすために、もっと多くのことができる」と彼女は付け加えた。
より安全な食品供給
食品安全への懸念が高まる中、FDAは10月1日、業務を再編成し、透明性を高め、安全性評価を向上させるために食品添加物やGRAS物質の市販後レビューの提案を含むその他の改善を実施するため、新しいヒト用食品プログラムを立ち上げた。
FDAは、このプログラムが物質の潜在的な毒性、暴露レベルの変化、乳幼児のような脆弱な集団が摂取する食品中の存在などの要素を評価することを示す論文を発表した。さらに、新しい科学データやこれらの化学物質に対する公的または組織的な関心も考慮する予定だ。
また、特定の食品製品に関する州レベルの規制も考慮する。
このアプローチは、州レベルの行動がFDAの将来の評価に影響を与える可能性があることを示唆している。例えば、カリフォルニア州の最近の特定の食品着色料の制限が、将来の考慮事項に影響を与える可能性がある。
ポメランツ氏は、既存の成分だけでなく、新しい添加物に対してもより強力なレビュープロセスが必要だと述べた。
しかし、消費者も関与する必要があるとハリ氏は述べた。彼女がスターバックスの人気商品であるパンプキンスパイスラテに潜在的に有害な成分を発見した後、メディアの注目がスターバックスにその成分を除去させた。
ハリ氏は、消費者の圧力がより安全な食品オプションの変化を促進すると述べ、「消費者がより健康的な選択を要求し、FDAが公衆衛生を優先する時が来た」と付け加えた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。