過去28年間、ブランカ・クノーデルさんは、800年の歴史を持つ塔に住んでおり、ドイツ南部の帝国の町バッド・ウィンプフェンの最も興味深い景色を楽しんでいます。
塔守の仕事は中世以来大きく変化してきましたが、70才代のクノーデルさんは故郷の町とネッカー川を見守る青い塔(通称ブラウアー・トゥルム)で夢を実現しながら多忙な日々を送っています。
では、彼女はどのようにしてこのユニークな仕事と、愛する町の196フィート(約60メートル)の高さにある家を手に入れたのでしょうか?
「私はバーデン=ヴュルテンベルク州(バート・ヴィンプフェン)で最も古い家系の一つに属しています」とクノーデルさんはドイツ在住のアメリカ人、アン・マリー・アッカーマンとのインタビューで語りました。
「私の祖母の妹もここの塔守のアパートに住んでいました。先代が病気になったとき、私が代わりにやりました。結局、3人の子供たちと一緒に引き継いだのです」
塔守として働くことと引き換えに、市は彼女に家賃を支払わずに住むことを許可しました。
この町には実は 2 つのランドマークタワーがあり、どちらも屋根の色にちなんで名付けられています。青い塔から徒歩圏内にある 2 つ目の塔は、赤い塔、または「ロータートゥルム」と呼ばれています。
塔を彼女の家にする
クノーデルさんの塔の守衛としての仕事は、彼女と彼女の子供たちがどのように時間を過ごすかについて検討するように求めました。
YouTubeチャンネル「ARDルームツアー」のインタビューで、彼女は視聴者を570平方フィート(約53平方メートル)の自宅に案内しました。そして、観光客は例え子供たちと食事中であっても時々訪れて来ると紹介しました。
クノーデルさんは、観光客の到着を知らせるベルが鳴ると、「口が空っぽの人が立ち上がって(観光客に)新聞を売り、戻ってきて食べ続ける。これが私たちの昼食の過ごし方でした」と語りました。
築800年の塔で3人の子供を育てるには、リフォームと多くの創造力が必要でした。それらに対応するクノーデルさんには才能が溢れていました。
「1996年にここに引っ越す前には、すべてが白い壁の大きな部屋でした」と彼女は動画の中で語っています。
家の唯一の分離された空間はバスルームでした。彼女は友人とともに、自分と子供たちにスペースとプライバシーを与えるためにこの小さな家をリフォームしました。現在、家はリビングエリア、キッチン、浴室、寝室、そしてオフィスに分かれています。
子供たちが成長する間、息子はベッドルームを持っており、娘たちにはリビングルームの上に小さな屋根裏部屋が作られ、そこにベッドやいくつかのゲームが収納されていました。そして、夜間のプライバシーを確保するためにシャッターが取り付けられていました。
クノーデルさんは以前はソファから引き出せるベッドで眠っていましたが、子供たちが全員引っ越したので、現在は息子が使っていたベッドルームを使用しています。
「リフォームがこんなに美しく仕上がったことにとても満足しており、誇りに思っています」と彼女は語ります。
塔屋にはクノーデルさんのドイツ系ルーツを思い出させる品々や家族の写真がいっぱい飾られています。200年のピアノについて話すと、134段の階段を上ってリビングルームまで運んだ男性たちは大変な苦労をしたと彼女は語りました。
彼らがピアノを持って頂上に着いたとき、彼女は冗談で「ひどいことが起こりましたわ。間違ったピアノです」と言ったそうです。
彼らの驚いた表情を「写真に収めるべきでした」と彼女は笑いました。「彼らは私の冗談を面白がっていませんでした」
彼女の家には大きな柱時計がたくさんあり、それぞれが特定の時間に異なる音で鳴ります。彼女はどの柱時計が鳴っているかで、何時なのかを常に知ることができます。
塔の守護者になる
中世には、塔の守衛はクノーデルさんが楽しんでいるほど、楽しい仕事ではなかったといいます。そのような危険な時代は、彼女によると、彼らの仕事は「敵と火事を見張り、警報を鳴らすこと、時間を鐘で知らせること」でした。
現在、塔の管理人としての彼女の仕事は、チケットを販売し、彼女が我が家と呼ぶ壮大な塔に関する情報を提供することです。
全体的に見て、彼女は、食料品を134段の階段を上って運ばなければならないことを除けば、かなり恵まれていると感じています。
「私は他のすべてよりも高いところにいます。とても静かで平和です」と彼女はアン・マリー・アッカーマンに語りました。「素晴らしい眺めです。そして私の家を訪れる人は皆フレンドリーです。本当に私に会いたい人だけが、私のアパートまで134段の階段を登って来ます」
(翻訳編集 青谷荘子)
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