家族は縁で結ばれていると言います。これは心温まる美しい実話です。
主人公ウォルト・マイニスさんは最初、養子を迎えたくありませんでした。しかし、赤ちゃんを抱いた瞬間、まさに少年時代に夢に見た我が子であると感じたのです。
ウォルトさんと妻・アニーさんは幼馴染で、大学で再会した時、恋に落ちました。2人はよく将来のことや夢について語り合いました。アニーさんは、「小さい頃から、母親になることをずっと夢見てきたわ」と語りました。不思議と男の子ではなく、ずっと女の子のことを話し、そして、すでに娘の名前も考えてあると言うのです。「クローイよ」。アニーさんがその名前を口にした途端、ウォルトさんは驚愕しました。
彼が12歳の頃、大人になった自分が茶色の瞳の幼い女の子の手を握りしめて、庭でクルクル回って遊んでいる夢を見たと言います。夢の中で、神様が現れ、「この子はクローイ。君の子どもだ」と教えてくれました。長年、この夢がずっとウォルトさんの頭の中に浮かび、自分は将来その子の父親になると確信していました。このことを知ったアニーさんも驚きました。しかし、茶色の瞳は双方の家族に誰一人いなく、なぜ自分たちの子が濃い色の瞳を持つのか、当時の2人には理解できませんでした。
いずれにせよ、両親になることが2人の最大の希望であり、クローイを育て上げることが果たすべき使命なのかもしれません。結婚した2人はしばらくの間、旅行に行ったりして2人だけの生活を送りました。ある日、子どもがいたらこの家はもっとにぎやかになるだろうと思ったのです。
「しかし、何カ月経っても、何年経っても、子どもはできなかった」とアニーさんは言いました。これは若い夫婦にとって非常にショックなことです。ウォルトさんとアニーさんはお互いに一途で、同じ夢を抱き、それに向かって努力してきました。しかし、結果は実りませんでした。
「あの日、神様が約束してくれたことにずっとしがみついていた」とウォルトさんは涙ぐみました。周りの友人たちが次々と子どもができ、それを祝ってあげる時、内心は非常に辛いものでした。それから4年経過し、アニーさんの心に変化が現れました。たとえ母親になれなくても、満たされた幸せな生活を送ることができると思うようになったのです。
しかしその一方で、子どもが欲しいという思いが日に日に増していました。そんな時、アニーさんは養子縁組を考えるようになったのです。養子について、最初、ウォルトさんは受け入れませんでした。「今までたくさんあがいて、傷ついて、間に合わせの赤ちゃんが欲しかったわけじゃない」と。
しかし間もなくして、ウォルトさんは考えを改め、アニーさんとともに養子となる対象を探し、同時に手続きに必要な資料を準備し始めました。けれど、ウォルトさんは養子縁組について自信がありませんでした。ある日、アニーさんは養子縁組あっせん機関から連絡をもらいました。ある妊婦が2人に会いたく、彼女が身ごもっているのは女の子だと言うのです。当時、自分たちの子どもを持つことを諦めていたウォルトさんとアニーさんは、すでに「クローイ」という名前を捨てました。
その後、2人はその妊婦・アリソンさんと面会しました。
「彼女が扉を開いた瞬間、昔、夢に見た女の子が再び蘇り、『クローイ』という名前も再び頭に浮かんだ」と、当時の状況を振り返ったウォルトさんの声は少し震えていました。アリソンさんはウォルトさんとアニーさんに好印象を抱き、話の流れで、「間もなく生まれてくる女の子に『クローイ』と名付けたい」と言いました。「驚愕しすぎて、全身が震えたよ」と、アリソンさんの言葉を聞いた瞬間、ウォルトさんもアニーさんも泣き出しました。涙を流している2人を見て、アリソンさんは「そんなにこの名前が嫌いなのか」と思いましたが、事情を知った後はただ満面の笑みを浮かべるだけでした。
ウォルトさんとアニーさんにとって、昔の悲しみや苦しみは神への信念に対する試練だったのです。それを乗り越えた今、神の慈悲が彼らの身に降りかかりました。
ウォルトさんによると、「赤ちゃんの存在を知った瞬間から、僕は父親になったのだ」と言います。アニーさんは、「かつての自分がいかに愚かであったかに気づいた。苦しみが私の信念を動揺させた」と反省しました。「すべてはあらかじめ決められていたのだ」と。初めて赤ちゃんを抱いた時
「私はあなたのママよ」と何度も語りかけたそうです。この瞬間、夢のようだったとアニーさんは笑みを浮かべました。
「ずっと前から、この子はすでに僕の人生の一部だった。そして、今、ようやく会えた」と涙ぐむウォルトさんも笑みを浮かべました。「偶然という人もいるけれど、僕にとってはすべてが必然なのだ」
↓↓これはもとのYouTube(日本語)です。
https://www.youtube.com/watch?v=R8t3BRmFXuU
(翻訳編集:華山律)
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