みんな大好き「豚の角煮」 実はとある文豪と深い関係
つやつやでとろっとした食感が口いっぱいに広がる「豚の角煮」。中華料理でお肉といえば、この逸品を真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本に限らず、本場中国でもご馳走の定番で、庶民の間では「紅焼肉(ホンシャオロー)」という名前で親しまれています。
実は豚の角煮にはもう一つの名前があり、それを「東坡肉(トンポーロー)」と言います。古典に詳しい方はピンとくるかもしれませんが、ここの「東坡」とは宋王朝期の文豪・蘇軾です。なぜ文豪の名前が料理名となったのでしょうか。ここでは人々に親しまれている一つの言い伝えをご紹介します。
ときは11世紀後半、蘇軾は杭州の太守として任命され、現地に赴任しました。現在は観光名所となっている西湖ですが、当時全く手入れがされていない状態で、野草が生い茂っていました。大雨が降れば洪水を起こし、地元の人々の生命と財産を脅かしていました。
関連記事
後漢の賢臣・宋弘が示した「糟糠の妻は堂より下さず」。夫婦の愛情より先に「恩」を重んじる姿勢は、現代の家庭観や人間関係を見直すヒントになります。
華やかさはないが、沙悟浄は道を求め続けた。栄光から転落、苦悩と罪を経て、再び修行の道へ──その静かな姿勢に、私たちは真の「信念」を見る。
だまされたと知りつつも「義挙がなくなるわけではない」と語った男。1年後、彼の善意が家族の命を救う奇跡を生みました。清末の実話が教える、人の在り方とは。
大金を拾った老翁が正直に返したところ、めぐりめぐってその行いが最愛の息子を救うことに。清代の筆記『里乘』に記された感動の教訓譚。
若い頃、放蕩生活を送り借金まみれだった男が、ホームレスと老婦人に助けられ、努力と感謝の心で重要な役職に就く。彼が得た成長と幸せの物語。