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3.便祕
消化を含むさまざまな不随意的な身体機能を制御する自律神経系に病気が影響するため、便秘も注意すべき初期徴候のひとつです。
「消化器系の筋肉は自律神経系によって制御されており、病気が自律神経系に影響を及ぼすと、消化が悪くなることがあります。便秘は、このような影響があるため、注意すべき初期徴候のひとつです。」
4.発汗
神経変性疾患では、発汗を伴う症状は一般的ではないかもしれません。 疾患に伴う自律神経機能障害のために、発汗調節の変化を経験する人もいます。
「患者の発汗調節や発疹に何らかの問題がある可能性があり、これらはいわゆるパーキンソン病の非運動性前兆だ」とシュワルツ氏は言います。
重要なことは、これら症状の1つ以上の経験があったからといって、必ずしもパーキンソン病とは限らないということです。 しかし、患者に医師に相談すべきかどうかを判断させる初期の指標にはなります。
診断前にうつ病や不安症が発症している可能性がある
2万3千人以上を対象とした2013年の研究によると、うつ病と診断された人は、パーキンソン病を発症するリスクが3倍以上高いことが判明しました。
2015年に発表された別の研究では、ううつ病と診断された14万人以上を調査したこの研究では、うつ病がパーキンソン病のごく初期の兆候である可能性、または発症リスクの一因として作用することを明らかにしました。
不安はパーキンソン病と関連して起こることが知られており、患者の40%が「重度の不安」を経験していると推定されます。
研究者らはまた、不安は通常パーキンソン病に伴う典型的な運動障害に先行することを発見し、心理的または社会的要因ではなく、病気に関連した脳の変化との関連を示唆しました。
治療が遅れると最適な投薬期を逃すことになる
治療が遅れると、薬の最も効果的な使用ができなくなる可能性があります。 パーキンソン病の治療をしないと、運動能力の低下や日常生活の困難を引き起こし、生活の質に深刻な影響を及ぼします。
アメリカン・ジャーナル・オブ・マネージド・ケアに掲載された研究では、パーキンソン病の最適な転帰のためには早期介入が重要であることが強調されています。 臨床試験により、早期治療が病気の進行を遅らせ、症状を緩和し、患者の生活の質を大幅に改善することが示されています。
シュワルツ氏はまた、早期診断の重要性を強調しました。 彼は、このような前兆症状は、神経変性疾患を通しての困難な旅の始まりであると考えています。
「前駆症状を経験する人の中に、知らないふりをしたがる人がいるという欠点がある」と彼は延べ、パーキンソン病の診断は患者とその社会的サークルに大きな心理的影響を与える可能性があると付け加えました。
「自分の症状を否定する人もいるが、それは問題ない。その姿勢に敬意を表す」とシュワルツ氏はいいます。
「無知が幸いすることもある。 知りたいと強く願う人もいるが、それはそれで当然なことだ。しかし、少し時間を与えてもいい。症状に変化があれば、1 年後に病院に来て、また診断を受けることになるだろう」とシュワルツ氏は付け加えました。
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