糖尿病は現代社会における大きな健康問題であり、肥満は糖尿病の赤信号です。台湾で30年以上にわたり名医として活躍し、ベストセラー『游能俊医師の133低血糖痩身プレート』の著者である游能俊氏が、自然で健康的な糖質コントロール法を見つけて成功するまでの道のりを紹介します。
糖尿病治療を専門とする内分泌学者である游能俊氏もまた、肥満と糖尿病に悩まされていました。
身長163cm、体重78kg(2016年当時)、特にビール腹が気になっていた彼は自分のことを、「妊娠したかのような大きなお腹」と表現しています。
また、朝の空腹時の血糖値が高く、糖尿病予備軍であり、深刻な糖尿病の家族歴もありました。
この状況に目を覚ました游能俊氏は、糖質制限成功への道を歩み始めたのです。
糖質を減らすためには、食事のコントロールが重要であることは、医師である游能俊氏は十分承知でした。自身が「糖尿病予備軍」となってからは、何をどれだけ食べれば効果的に糖質を減らせるか、徹底的に研究するようになりました。
ご飯や麺類、牛乳や果物まで、あらゆる食品を試して食べた後の血糖値の変化を確認し、次第に毎食「一汁一菜」の食事法、「1・3・3低血糖痩身プレート」を作り上げました。
この方法に従って、2016年から2018年までの2年間で20kg、今年は合計24kgの減量に成功しました。最近ネット上でアップされた写真では、腹筋がはっきり見え、全身に脂肪がないのが見てわかります。血糖値も健康的なレベルです。
次に游能俊氏の、「133低血糖痩身プレート」ダイエットについて詳しく解説します。
「1・3・3低血糖痩身プレート」ダイエット
肥満と筋肉量の低下はよくある問題であり、糖質を減らすには脂肪を減らすことが重要です。
私は医師として、クリニックで血糖値測定を多く行い、食べ物が血糖値に与える影響をチェックしています。
それだけでなく、筋肉や脂肪の測定も多く行っています。5千人以上の人を対象に3万回以上の測定を行い、筋肉量が正常で脂肪率が低い人は5人に1人程度であることがわかりました。
脂肪を減らすことと筋肉を増やすことに関しては、多くの人が筋肉を増やすことのほうに重点を置いています。しかし実は、脂肪を減らしても、筋肉を増やすのと同じくらい血糖値を下げる効果があり、脂肪を減らした方が血糖値を下げる効果が高いことが試験で証明されています。当院のデータでは、脂肪減少による血糖値低下効果は、筋肉増加の約3倍となっています。
この点は、理解するのが難しいことではありません。インスリンは、脂肪細胞を含む体内のさまざまな組織細胞のエネルギーを調節しています。そのため、脂肪細胞がインスリンを「支配」してしまい、インスリンの血糖値調節に影響を及ぼしてしまうのです。
したがって、総合的な代謝バランスのためには、脂肪を減らすことが非常に重要です。そのひとつが、毎日の食事を工夫することで、体脂肪を減らしながら筋肉を増やす必要性を維持するという方法を検討しています。
(つづく)
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