10月26日、ロシア軍の兵士たちは数週間前にこの町から逃げ去った。だが、その痕跡は至る所に残っていた。写真はウクライナ東部バラクレヤを占拠していたロシア軍が司令部として使っていた自動車修理工場。上空より7日撮影(2022年 ロイター/Zohra Bensemra)

特別リポート:地下司令部の文書でたどる、ロシア軍敗走までの日々

[バラクレヤ(ウクライナ) 26日 ロイター] – ロシア軍の兵士たちは数週間前にこの町から逃げ去った。だが、その痕跡は至る所に残っていた。

ウクライナ東部、ハリコフの南方90キロにある川沿いの小さな町バラクレヤ。コンクリートの階段を下り、ロシア軍が慌ただしく放棄した司令部の地下室に入った。「司令部」と書かれた鉄製のドアの向こうは、湿った臭いのする地下壕だった。焼却炉には書類が押し込まれ、その一部は焦げていた。他の書類は床全体に散らばっていた。

花柄をあしらったノートに、氏名不詳の参謀将校が、兵士の漫画と、望郷の思いを書き残していた。91ページにわたる手書きのノートには、その他の情報も記録されていた。ロシア軍情報部隊の位置情報、司令官たちからの電話の記録、戦闘の推移や戦死者、破壊された装備の詳細な記録──。士気低下と軍紀の乱れに関する記述もあった。

▶ 続きを読む
関連記事
これはウクライナ戦争終結を目的とする28項目の草案に対する、ロシア指導者として初めての公式な反応である。
トランプ政権はウクライナ情勢の悪化を踏まえ早期和平を重視し、情報支援停止を交渉圧力とする現実路線へ傾いている。
ウクライナは23日、ロシア・モスクワ州にある発電所をドローンで攻撃して大規模な火災を引き起こした。また、火災のため、数千人が暖房を利用できない状態となった。これは、ウクライナがこれまでにロシア本土の奥深くに位置する発電施設に対して行った最大規模の攻撃の一つである
ウクライナは今後10年で仏ダッソー製「ラファール」戦闘機最大100機の導入方針を発表。防空システムなども含め歴史的協定に署名
G7財務相はロシア産原油の購入を拡大する国々も制裁対象とする方針で一致し、凍結資産全額の活用も検討している。