テキサス州ヒューストンの女性がレストランを出たところ、車のドアハンドルに手拭き用の紙ナプキンがひっかかっているのを発見しました。それを手で取り除くと、すぐに腕がしびれ、呼吸が苦しくなり、胸の痛み、動悸などの症状が出てきました。病院に運ばれた後、医師は急性中毒ではないかと考えました。
「FOX 26」によると、エリン・ミムズさんは8月16日の午後、夫と一緒にヒューストンのレストランで誕生日を祝っていたそうです。レストランを出て、近所の温泉に向かおうとしたとき、車のドアハンドルにナプキンが挟んであるのに気づいたのです。
「何も考えずに、手でつかんで捨ててしまったんです」とミムズさんは振り返りました。指先でドアを開け、夫に「車のドアにナプキンを挟んだ?」と聞いてみたら、彼はノーと答えました。
ミムズさんはその後、レストランに戻って手を洗い、再び車に乗り込みました。すると、ナプキンが挟んであったドアを開けるのに使った指が、ピリピリし始めたのです。
「5分くらい後に、腕全体がピリピリとしびれるような感覚があったんです。息ができなかった。全身がほてって、胸が痛くなり、心臓の鼓動が速くなった」とミムズさんは言います。
夫の運転で近くの病院へ行き、尿検査、血液検査、CTスキャンなどを行いました。医師は、毒素が何であるかはまだ断定できないとしながらも、未知の物質による急性中毒であると述べました。
ミムズさんの主治医は、「誘拐しようとして失敗したような事件だ」とまで言っていました。
ミムズさんは当時、幼い子どもたちのことばかり考えていたそうです。
「人生で一番怖い瞬間だった」と彼女は言います。
ミムズさんは、その体験をソーシャルメディアに公開することにし、彼女の話は一気に広まりました。
ヒューストン警察によると、これまでに判明しているなかで、これが最初の事件だといいます。
ミムズさんの毒物報告書の詳細は不明ですが、ヒューストン毒物センターの毒物管理専門家マーク・ウィンター氏によると、ミムズさんの症状は、数百種類の毒物によって引き起こされる症状と一致しているといいます。
ミムズさんは、自分の恐ろしい体験が世間の防犯意識を高めることを期待しています。
「現状を知ってもらいたいんです。そうすれば、ナプキンを見たら触ってはいけないと分かるようになる。ただ、みんなに気をつけてもらいたいだけです。肉体的には問題ないのですが、精神的に、感情的に、ダメなんです。一人でどこにも行きたくない」と語りました。
(翻訳・里見雨禾)
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