モンゴルの剣と遊牧民の革の盾(shutterstock)

チンギス・カンーーモンゴル草原の凱歌(六)忠義の士【千古英雄伝】

テムジンとボルテが結婚した後、モンゴル人のしきたりにより、双方の父親に貴重な物を贈ることになりました。テムジンの父イェスゲイは早くに亡くなり、その義兄弟のケレイト部族のトオリル(後のオン・カン)はまだ健在ですが、長い間、連絡を取っていないため、自分のことを認めてくれるかどうかはわかりません。テムジンは2人の弟ジョチ・カサルとベルグテイを連れてケレイト部族の領地へと向かいました。

「あなたは父と義兄弟の契りを結びました。私はあなたの息子であるも同然です」とテムジンは用意していたマントをトオリルに差し出しました。このマントは、クロテン(イタチ科)の毛皮で作られた珍しいものです。誠実で温厚なテムジンを見て、トオリルは喜んでこの息子を受け入れました。

 

▶ 続きを読む
関連記事
モンゴル帝国を開いたチンギス・カンは、かつてテムジンとも呼ばれ、金王朝を破り、西夏を臣服させ、西遼を滅ぼしまし […]
13世紀初期、ホラズム・シャー朝は中央アジアから西アジアまで広がる大帝国へと発展しました。1218年の春、チン […]
モンゴルの史書『アルタン・トプチ』(『黄金史綱』)によると、テムジンの尊称は「英明で偉大な聖主・チンギス・カン […]
モンゴル帝国の歴代の帝王(カアン)の中に、温厚で、一族の和を重視し、金銭に無頓着なカアンがいます。彼はモンゴル […]